二十三話:観察する魔王様
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に確実に勝つためにとった行動―――いや、とらざる得なかったのだ。
なぜなら―――彼がいるからだ。
他の者は皆ライザー君やバジル君達を見ていたが私だけは彼を見ていた。
今まさに目を覚ました―――兵藤一誠君を。
彼は目を覚ますとリーアとライザー君達の様子を伺い始めた。恐らくはどこで攻撃を仕掛けるのか考えているのだろう。最も効果的かつ合理的な瞬間を狙っているのだろう。まるで獲物を狩る瞬間を待つ獅子のように。だがそれを乱す者が現れた。
『親方様は拙者が命を懸けて守り抜きます!!!!!』
バジル君だ、リーアの為に自分が盾になろうとしているのだ。
リーアの頬が一瞬染まったように見えたが恐らくは私の勘違いではないだろう。
ここまで、リーアを思ってくれるような子がリーアの相手になってくれれば私も嬉しいのだが。そんな関係ないことを考えているとついに彼が動いた、リーア達の前に盾になるように飛び出してきたのだ。
それを見た瞬間、私は彼が分からなくなってしまった。
彼は他人の為に動くような利他的な人間だったのだろうか?
グレイフィアの言っていた暴君は間違っていたのだろうか?
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!』
その瞬間凄まじい魔力の増幅を感じ、思わず戦慄してしまう。
他の者も同じだ。その余りの力に皆が驚愕してしまっている。
二人のフェニックスが放った炎が消えていき
その中から現れたのは紅のマントを身に纏いかすり傷一つ負っていない兵藤一誠君だった。
……ドラゴンの鱗すら傷つける炎を受けて無傷だと言うのか?彼は。
ライザー君が恐怖で怯えたようにさらに炎をぶつけ続けるがそれは全て彼に届くことすらなく消えていくだけ、いや―――彼が自分の炎でフェニックスの炎を焼き尽くしているのだ。
そのことに気づいたときは思わず笑いそうになってしまった。
炎を焼く?そんなこと聞いたことも見たこともない。しかもただの炎ではなくフェニックスの炎をだ。信じられない、反則ものだ。
彼はこれまでの『赤龍帝』の物差しで測れる人間ではない。
それに彼はあの禁手を自分が持つ“一つ”だと言った。
つまりまだ他にもあるということだ。二つも種類があるなんて聞いたことがない。
第一、彼の『赤龍帝の籠手』は明らかに変化を起こしている。
グレイフィアが言っていた銃の形ともまた違うのだからこれまでの『赤龍帝』の常識など全く通用しないだろう。
『さあ、死刑執行の時間だぜ、焼き鳥。』
ああ、ここからは筆舌にしがたい、まさに処刑が行われていった。
彼は一切の容赦などなく無慈悲にラ
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