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ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
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プロローグ リセットの享受
プロローグ 郷愁の日々 その弐
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ORPGで度々やってきた行為でも、段々恥ずかしくなってきて語尾に『ぜ』をつけてしまった。

「スバル、そんなこと言ってぇ、おめぇ、ただフレンド登録してぇだけだろ!」
「まぁな!なに、断ってくれたって怨みはしない。何も持って無い俺にできる、わかり易い感謝の気持ちさ」

 クラインへの返事を言い終わる前に、俺のフレンド項目にKritoとKleinが登録された。やっぱり嬉しくて顔がほころんでしまう。

「じゃあ行って来るぜ!じゃあな!またどっかで会おう!!」

 精一杯、格好つけて俺はその場を立ち去る。充足した気分で足取りも軽い。

 キリト達から離れてしばらく歩き、振り返る。そこにはキリト達の姿は無く、沈みかけの夕焼けと赤く彩られた草原があるのみだった。
 俺は思う。俺はこの世界で、きっとかけがえのないものを手に入れるだろう。

 この世界はゲームとは思えないリアルさがある。

 従来のゲームとは違い、簡素なチャット文ではなく、言葉で人との関わりを体感することができる。
 従来のゲームとは違い、アバター達にリアルタイムの表情、感情がある。
 従来のゲームとは違い、戦いの恐怖と生きている実感を教えてくれるモンスターがいる。
 従来のゲームとは違い、戦闘に焦りや怒りや悲しみが強く反映される。
 従来のゲームとは違い、夕焼けの美しさだけで誰しもが足を止め、延々と眺め続けることができる。

 一抹の不安は残しているが、ひとつの問題も起きてしまったが、誰もこのゲームを投げ出す奴はいないだろう。
 それほどまでに、このゲームは魅力的で、俺たちこと、一万人ものMMOジャンキーはこのゲームの熱狂的な狂信者なんだ。

 そう思い俺はキリト達が居た方角から前を向き、始まりの街の方角を見る。
 ここからでも、SAOで最大の街はよく見える。夕焼けに彩られる巨大な街は、巨大な心臓のように思えた。ある意味では正しいのだが。

 俺は調査のためにこのゲームの心臓、始まりの街へ向かって歩を進める。

 すると、突然、リンゴーン、リンゴーンと、鐘のような巨大な音が聞こえてくる。方角は街の方からではなくむしろ空からだろうか……。
 そう思いを巡らすと現実では信じられない現象が起き、俺は驚きの声を上げた。

「な、なんだ!?どうした!?」

 鐘の音とほぼ同時に俺の周りに鮮やかな青色のベールのような光の柱が出現したのだ。
 青色の膜の向こうで始まりの街がどんどんと薄れて消えてゆく。替わりに周囲のベールの青が濃くなっていく。

 状況が掴めないながらも、ウィンドウを出そうとする。何が起きているかはわからないが咄嗟に出来ることと言えばそのぐらいだった。
 まぁ、何の意味も無かったが。

 体を包みこんでいる光が一際強く脈打
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