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仮面ライダー龍騎【13 people of another】
Part One.
Second chapter
第11話
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おい、起きろよ亮平………亮平ぇぇぇえええぇえ!!」
雨が降った。
誰も予想していなかった雨に、人々は戸惑う。
そんな中、とあるレストランでは宮藤が一人で亮平を待っていた。
「遅いなぁ………塚原くん」
──────────…
雨に濡れた金髪の少年が空を見上げていた。
芳樹や他のみんなは亮平の葬式に参列している。
少年、ナナは葬式用の服を持っていないため、式には行かないことにした。
傘もささずに、ナナは火葬場を後にした。
いっぽう、芳樹は……。
「本当に、すみませんでした」
「……芳樹くん、芳樹くんのほうが、辛かったでしょう?」
「亮平は、最後に、なんと?」
「……よく、わからないんですが……W
あの子
(
・・・
)
を助けてやってくれWって」
「
あの子
(
・・・
)
?」
「やっぱり、おじさんとおばさんにもわからないですか?」
亮平の両親は顔を見合わせた。
「わからないわ……」
「すまない、芳樹くん……でも、亮平は笑って死んでいったそうだね」
「……はい」
「そうか、なら……悔いはなかったのかも、しれんな」
そう言ったところで、亮平の母親は泣き崩れた。
芳樹はそれから何度も「すみません」を繰り返す。
「塚原は、本当に良い奴なんですよ」
「………」
「僕みたいな捻くれ者にも普通に話してくるし、凄い奴で……」
「……日ノ岡」
「なんですか、油島さん」
「今は、泣いてろ」
「………はい……」
日ノ岡は顔をクシャクシャにして泣いていた。
彼も亮平と付き合いの長い友人の一人なのだ。そんな日ノ岡の数少ない友達だった人物のうち一人が死んだ。助けられなかった悔しさと、永遠の別れという悲しさのせいで、日ノ岡の心はグチャグチャになっていた。
油島はまだ亮平との付き合いは短い。
最初に出会ったのは油島がナイトに始めて変身した時、願いなんて物はなくただ何と無くモンスターと戦った。そこで、亮平と芳樹に出会った。
そこで始めてできたライダーの輪。それが、第一歩だった。もしあの二人と会わなかったら、きっと油島は誰かを殺していたはずだ。
「……ああ、くそッ」
油島は目から出て来た物を手で押さえた。
───…
「雨」
ナナはビルの屋上で小さくなって雨をしのいでいた。
しかしそれでも服は濡れていく。
それを見て、ナナは立ち上がり、地面の見える屋上の端までやって来た。濡れることを考えていない。
「もう、引き返せない」
地面を見ながらナナは呟く。
自身の王蛇のカードデッキを見るとそれをぎゅっと握りしめた。
「もう、帰れない」
ナナは目を閉じてゆっくり上を見上げた。
雨のせいで、
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