彼と幼馴染と許嫁
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であろう。
そんな事は真っ平御免だと、四人同時にラストスパートをかけて門を勢いよく潜った。
「おーし、女子三名に男子一名ギリギリセーフって所だな! 息を整えてさっさと教室行きなよ!」
「ふぅ・・・間に合ったか」
「はい! 間に合いました海童様!」
「ぬぅぅ、別室ならばもう少しゆっくりできたのに・・・」
「さっきも言いましたけど、私が―――――」
「ハルコさん!!」
大きく溜息を吐き、遅刻はせずに済んだかと海童がホッとした矢先、目の前にいた春恋の背後から、厳しい雰囲気をたたえた声が聞こえてきた。
「副会長である貴女が、入学後日早々に遅刻ギリギリで登校とは・・・しかも今日は測定の日、だっ男子の引率もあるというのに・・・」
「あ、アハハ・・・申し訳ありませんですわ、会ちょ―――」
「ブハッ! グクククッ・・・!」
まだですわ増すわ口調に慣れていないからか、海童が入学式の時と同じく噴き出して、多少は抑えているものの傍目には隠さず笑いはじめた。
「・・・この!」
「あだっ!?」
「・・・ではいきましょう。会長」
「え、ええ。と、とにかく急ぎますわよ!」
「ではみなさん、ご機嫌よう」
会長が何やら苦手意識を持った目で海童をみていたが、これはうるちの時とは違い本当に男性が苦手なのだと、彼には理解出来た。恐怖症を持っている人間を睨みつける程、海童も心はせまく無い。
春恋が引きずられるように去って行った後・・・海童は腹を抱えてまだ笑っていた。
「ぐくくくっ・・・クソ似合わん・・・ぐくくっ・・・!」
「幼馴染ならば違和感を持っても仕方なからろうな。それよりさっさと教室へ向かわんと、学園長がそろそろ怒るぞ」
「・・・なら、行くか。櫛八」
「あ・・・私の事はイナホでよろしいですよ?」
「・・・わかった、イナホ・・・行くぞ」
「はい! 行きましょう!」
自分達がこれから学ぶ学園、その教室である1-Bへと着いた海童とイナホは、ドアを走ってきた興奮が残っている為か、海童が少々乱暴に開ける。
「すいません! 遅れました!」
「あら〜〜、今度から遅れちゃだめですよ〜〜? でも、これで全員揃った事だし〜〜、改めて自己紹介しますね〜〜」
やたらホンワカと間延びした口調の女性は、海童とイナホの席を指差し着席を促す。
「アイツ昨日の・・・?」
「ああ、確か体育館ぶっ壊した奴だ・・・」
「初日でいきなり女同伴かよ・・・」
「可愛いよなあの子・・・」
入学式のときの事件が半分、イナホの事柄が半分のヒソヒソ話しを、気にしていても仕方が無いと受け流
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