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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と幼馴染と許嫁
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た海童は二人を睨みつけた。





 取りあえず理由は後で説明するとロフトを下り、粗方朝食の準備が終わってもまだ、海童の顔には不満が見えた。・・・いや、元から不満そうな顔をしているのでそう見えるだけ、と言う可能性も拭えないが。



「もう、悪かったってば。昨日は私も寝付けなかったし、なにより海童が一人ロフトだったから心配で・・・」
「俺『は』別に寝付きは悪く無かった。それにロフトだからって寝相で落ちるのはお前ぐらいだ、ハル姉」
「う・・・」
「私は海童様が寂しいかと思いまして」
「俺は全く淋しくないから次は止めてくれ」



 目の前でイヤイヤといった感じで手を振る海童の様子は、やっぱり何処か不満げで美少女に囲まれている嬉しさなど余り感じさせない。・・・ひょっとして枯れているのだろうか、高校一年と言うこの歳で。



 (あのままだったらちょいと理性が不味かったかもな・・・)



 不満なのは感触を誤魔化す為でもあるらしい、欲は結構普通なようだ。



 さて、パッパと朝食の準備を進めていく春恋だったが、タマネギに苦戦しながら切っているイナホを横目で見やり、昨日から考えている事が頭に浮かんだ。



(そういえば荷物の搬入とかでバタバタしてて聞けなかったけど・・・許嫁とか、海童の事を知っているとか・・・ちょっと見えたマケンとか、どういう事なんだろう?)



 もしや海童と一歩踏み行った関係なのでは・・・・? 

 気になって仕方なくなった春恋は、タマネギを切り終えたのを見計らって善は急げとイナホに問いかける。



「ねぇイナホちゃん、ちょっといい?」
「はい! 姫神先輩を起こしてくるんですね! 任せてください!」
「あ、うん」



 しかし言おうとした直前イナホの元気な返事の押され、疑問は聞く事が出来ずに終わった。起こすだけなのに腕まくりをしながらドアへと歩いて行くイナホは、ゆっくりとドアが向こうから開いた事で歩みを止める。



「朝っぱらから五月蠅いのぉ・・・お主らは」
「オハヨーございます! 先輩!」
「ん? うむ・・・」


 自力で起きてきたらしいコダマが、目をこすりながらフラフラと出てきた。イナホはそんな彼女に挨拶したのだが、海童は何故か眼のあたりを手で押さえてそっぽ向いており、春恋は顔を真っ赤にしてあんぐりと言う効果音が似合う程に大口を開けていた。



「姫神さん!? 下! 下!!」
「むぅ・・・む・・・・むむっ?」



 何とコダマの格好は、彼女の寝まきはかなり薄い代物で、下にはいている少しばかり似合わない大人な下着が物の見事に透けてしまっている。

 未だ寝ぼけているのかすぐに気が付かな
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