彼と幼馴染と許嫁
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構えを見ていた時までは、体格といい運動神経に自信がある奴なのかもしれないと、実はそう思い気楽に見ていた。
が、コダマが接近して後少しで攻撃を当てられる距離に入りかけた瞬間、後ろに拳を振りかぶってあたかも『空間を殴る』が如く拳を叩きつけ、『空気が砕けた様な』轟音が響いた顔と思うと・・・コダマの背後の壁と屋根が砕け散る、体育館のあの惨状が出来上がっていたのだ。
エレメント無し、溜め時間も短い、ただ叩きつけた攻撃でアレだ。ある程度知識不足な新入生なら兎も角、在校生達や先生達にはかなりの衝撃を与えたであろう。
「空間を殴り付けて衝撃波を生み出し、体育館の屋根と壁を粉々にする・・・全く、聞いた事無いよ、エレメントもマケンも無しで、そんな破壊力を持つ力なんて」
これから起こるであろう事を予想してか、実は深く深く・・・本当に深く溜息を吐くのだった。
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入学式も終わり、その翌朝。
美少女三人と一緒になった海童だが、本人立っての希望(と言うよりも自重)により、一人布団を引きロフトで寝る事にしたのだ。
窓から入るやわらかな日差しを受けて、海童は目を覚ました。
・・・が、自分の目の前と腕辺りに、何やらやわらかな感触が存在している事に気が付き、寝ぼけぼやけている目を治す為、グッと目を閉じてから再び目を開いた。
「何っ・・・!?」
そして正体を理解した。
顔にあった感触の正体は、海童の頭を軽く抱えながら目の前で寝ている春恋。目線を動かして腕の方を見ると、海堂の腕を自分の胸の上に載せているイナホの姿があった。
「・・・何でだ」
海童のツッコミは至極当然の物だろう。何せ彼女等は、向こうの扉を隔てた先にある部屋のベッドで寝ている筈なのに、今は此処で寝ているのだから。
それでも何とかこの状況から抜け出す為にまずイナホが抱えている腕を引き抜き、その左手を使って春恋の抱えている手を外す。
次に太ももに挟まれている腕を自由になった上半身を動かして抜くと、少しずつ体を動かして敷布団から出た。
そしてそのまま屈みこんで、息を吸い込むと・・・
「おい!」
「「ひゃっ!?」」
起こす為に怒鳴った。案の定、歌理は跳び上がる様な勢いで、悲鳴を上げて勢いよくとび起きる。
「あ、海童様。お早うございます」
「え、え? あ、えっと・・・お、お早う?」
「お早うじゃねぇよ。寝苦しかったのはお前らの所為かコラ」
男子にとってはかなり幸せな状況なのだが、如何せん寝苦しさの方が先に立ってい
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