マクロスF
0764話
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が終わる。恐らく時間が無い以上すぐにでも新統合軍の司令官達と相談しに行ったのだろう。
そんな風に思いながら周囲を見回すと、当然と言うべきかやはりどこか責める視線で俺を見つめている者達が……いない? いや、勿論若干困ったというような表情を浮かべている者は多いのだが、グラス大統領を半ば脅すような言動をしたり、あるいはバジュラ本星に向かう時に使うだろうYF-29の事を思って難しい顔をしている者はいる。だが、明確に俺の独断専行とも言える行動を責めるような者は殆どいなかった。
最も厳しいのが、やはり父親を半ば脅された形になったキャサリンだろう。ブリッジにいるメンバーの中では唯一責めるような視線を俺に向けている。
「取りあえず、アクセル。この炎の鳥を何とかしてくれ」
「ん? ああ、そうだな」
ミハエルの言葉に頷き指をパチンッと鳴らすと、次の瞬間にはブリッジ中を飛び回っていた鳥の炎獣は全てが炎の粉となり、消え去っていく。
ある意味では花火の如く見事な散り際に、最初は驚いていたブリッジクルーが思わず溜息を漏らす。それは同時に、俺の事を知っている他の面々にしても同様だった。
「あの、艦長。今のは一体……それに、アクセル大尉は……」
モニカの質問に、ジェフリーがこちらへと視線を向ける。
それを受け止め、小さく頷く。
さすがに炎獣を見せてしまった以上、今の俺が何でも無いただのパイロットだと言っても誰も信じる筈がない。
それに、この場にいる面子の中でもブリッジクルー以外は既に俺がどんな存在なのかを知っているのだ。なら、ここで無理に隠し通す必要も無いだろう。
そう判断し、ボビー、モニカ、ミーナ、ラムの4人に俺がどのような存在なのかを教えて、証拠として幾らかの魔法を見せる事になるのだった。
「アクセル、お帰りなさい。何があったの?」
影のゲートを使って部屋に転移してきた俺を見たシェリルが、そう声を掛けてくる。
まだライブから戻っていないかとも思ったのだが、さすがにもう少しで日付が変わる時間ともなれば今日のライブは終わって解放されたのか。
薄らとシェリルの言葉に滲んでいる心配さを思えば、あるいは朝起きた時、既にいなかった俺の事を心配していたのかもしれない。
「ああ、ちょっと色々とな」
呟き、シェリルに渡された冷たい烏龍茶の入ったコップを口へと運んでから、改めて視線をシェリルへと向ける。
「シェリル、ランカの居場所が分かった」
「っ!? ランカちゃんはどこに?」
「バジュラ本星と思われる位置の近くからランカのフォールド波が発信されているのを新統合軍が感知した。正確に言えば、そのフォールド波を辿っていった結果バジュラ本星と思われる惑星を発見したというのが正しいんだけどな」
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