後日談
第136話 弟談義
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盛り上がる少年少女たちの席から離れた席で、貴虎は紘汰の姉・晶と差し向かいに座っていた。
「私は光実に、独りで全てやらねばならないと思わせるような教育をしてしまった。兄失格です」
「わたしだって、紘汰のことを全部分かってたわけじゃない。そういうものですよ。きょうだい、って」
「――彼には、本当に大きな借りが出来てしまいました」
貴虎は心から頭を下げた。――葛葉紘汰と高司舞の顛末は、咲や戒斗から聞いて知っていた。
「紘汰は自分の進むべき道を見つけたんだと思います。だから、これでよかったんです」
「あ〜ら。メロンの君、妬けちゃうわね」
凰蓮だった。変身した貴虎を「麗しの白い方」だの「メロンの君」だの呼んでいたが、こうして変身しない今でもその愛称は定着してしまった。
「どうぞ。こちらはお得意様への出張サービスです。今度の新作、自信作よ」
凰蓮はケーキを二皿、貴虎と晶の前に置いた。貴虎と晶は、二人してそのケーキを食べた。
「おいしい!」
「また腕を上げたな」
凰蓮は嬉しそうに「メルシィ」と答えた。
「ああっ。貴兄さんズルイ」
ひょっこりと現れたのは碧沙だった。そういえば妹もシャルモンのケーキが好きだったと貴虎は思い出した。
「一口食べてみる?」
「いいんですか? じゃあ、いただきますっ」
晶が自分の紙皿を碧沙に差し出した。碧沙は笑って紙皿を受け取り、プラスチックフォークでケーキを口に運んだ。
「うん、おいしいです」
なるほど、そうすればいいのか、と貴虎は内心で感心した。
「私のも食べてみるか?」
「ん〜……いい」
貴虎は肩透かしを食らった。
碧沙はというと、元リトルスターマインの仲間に呼ばれて、席から離れて行った。
「……何がいけなかったんだ」
「そろそろ難しいお年頃になる時期ですから。ファイトですよ、呉島さん」
夕暮れ時を見計らい、呉島三兄妹と晶はドルーパーズを出た。
貴虎と晶は明日の仕事、弟妹には学校がある。あまり箍を外してもいられないのが名家の辛い所だ。
そうでなくとも、明日から学校のあるビートライダーズは数名がすでに店を出ておしゃべりをしている。
「晶さん、送って行きますよ。――いいよわね、貴兄さん」
「もちろん」
「すいません。お言葉に甘えます」
貴虎が回してきた車に晶が乗り込もうとした直後、彼女は悲鳴を上げて肩から何かを叩き落とした。――イナゴだ。それもかなり大きい。
「――め」
「碧沙?」
「だめ! みんな、にげてぇ!」
それを合図にしたように、黒いイナゴが大量に飛来した。貴虎と光実は急いで晶と碧沙を庇った。後ろにいた他のビートライ
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