グランドクエスト
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「須郷………久しぶりだな」
すると、須郷はライトを見て言う。
「おやぁ、君は天城君じゃないか。キリト君と言い、どうやってここに?」
「俺は単にプログラムをハッキングしただけさ。あんたらのファイヤーウォールなんて、俺にはただの薄い壁でしかない。
ライトは怒りを露にして言う。
「あんたは、茅場先生の造り上げ、そして願った世界をこんな風に悪用した………そこにいた住人も、全て!!」
「まぁ、そのお陰で思考・記憶操作技術の基礎研究は既に八割を終えた。これも元SAOプレイヤーの皆さんの献身的な協力があってこそ。茅場先生には礼しかない」
「ふざけるな!!」
地面をぶち抜きそうな勢いで踏み込み、ライトは叫ぶ。
「あんたの研究の為に、茅場先生はSAOプレイヤー達をゲームから解放したんじゃないっ!!あの人は、あの人はなぁっ!!」
ライトは震える拳を握り言う。
「あの人はっ!!ただ自分の望んだ世界を創り出す為だけを欲して居たんだ!!ただ、あの人はやり方を間違えただけだ。だが、あんたは違うッ!!あんたは自分が思うままに世界を奪い取った!!そんなあんたに、妖精王を名乗る資格はないっ!!」
「煩いなぁ……取り合えず、消えろォ!!」
須郷は青いシステムメニューウインドウを開くーーーーーそれより早く、ライトが音声コマンドを発声した。
「システムコマンド、スーパーバイザ権限変更。IDオベイロンをレベル1に」
途端、彼に王の力を与えていた魔法のスクロールが消えた。
「ぼ…………僕より高位のIDだと………?有り得ない……僕は支配者……創造者だぞ……この世界の帝王……神……」
聞くに耐えない言葉を放つ須郷を見て、ライトは言う。
「そうじゃない。お前は盗んだんだよ。世界を。そこの住人を。盗み出した玉座の上で、独り踊っていた泥棒の王だ!!」
「こ……このガキ……っ!」
「少なくとも、俺はあんたより大人だ。ずっと、ずっとな」
ライトは右手を出すと、音声コマンドを発声した。
「システムコマンド。オブジェクトID<エクスキャリバー>ジェネレート」
すると、虚空から金色に輝く刀身を持つ、綺麗な装飾を施されたロングソードが現れる。
「システムコマンド。ペイン・アブソーバ、レベルゼロ」
「な………何………?」
仮想の痛みを無制限に引き上げるコマンドを聞き、妖精王は後退る。
「逃げるなよ、王なら。同じ王でも、あの人は臆したことは一度も無かったぞ。あのーーーーーーー茅場晶彦は!!」
すると、須郷の顔が一際大きく歪んだ。
「茅場……ヒースクリフ……アンタか。またアンタが邪魔をするのか!!」
右手を振り上げ、絶叫した。
「死んだんだろ!?くたばったんだろうアンタ!!何で死んでまで僕の邪魔をするんだよ!!アンタはいつもそうだよ……いつもいつも!
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