彼の第一歩
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数が多すぎるんだよ。最後のだってお前なら普通に避けれただろ」
「・・・もう、もう彼は私の元へは戻って来ないのですね」
「ま、そう言うこったな。諦めな」
アズキの一言でガレットは涙を流し片手を前に、胸に手を当て少しばかり大げさに言い放った。
「ああ、私の可愛いテディベアのクーちゃん!! 今晩もアズキさんにギュっギュっされながら、私という主を失った事への慈しみの涙を流すのですわ!」
「ちょ、おまっ!? な、何で知って・・・いや、言うんじゃねぇぇっ!?」
先程の真剣な戦闘など何処へやら、すっかり和みムードとなっている彼女等を見て・・・しかし海童は未だ驚愕の中にいた。
(何が起こってる・・・鎌鼬が出るだの、人が空を飛ぶだの・・・前世も今までも・・・こんな事は無かったぞ・・・!?)
輪廻転生を経験していても、やはり彼は一般人。少年漫画張りの戦闘など見れば、固まってしまうのは仕方が無いだろう。
「童、緊張しとるのか?」
「え・・・あ、はい」
「まあ、無理もないが・・・わしも本気ではやりはせん。武道の型の様に気楽にやるといい」
「・・・」
緊張よりも信じられない事で体が固まっている海童だが、そんな彼を本気で心配している人が一人、ステージ傍から見ている・・・黒髪サイドテールの少女・春恋だ。
(海童大丈夫かなぁ・・・道場抜けてからも一応鍛えてはいたみたいだけど・・・相手は姫神さんだけど、心配だなぁ)
何も知らない新入生と、この学園の事を知っている在校生では確かに差がある為、心配するのは当たり前だ。
やがて渋々と感じで海童が自分の定位置に着いたのを見て、コダマも歩き出す。
(あの胸の紋・・・見間違う筈もない・・・だとすれば奴は・・・わしが倒すべき敵じゃ)
・・・そんな彼女の傍に浮いている、『他人には姿が見えも、声が聞こえもしない』小人が、コダマへ忠告するように声を掛けた。
(おい、お嬢何か企んでんじゃねぇだろうな?)
(安心せい、カグヅチ。“今は”殺さん・・・今は、な)
カグヅチと呼ばれた小人から目を外したコダマは、次にほのかに電撃を纏っている小人へ声をかける。
(イカヅチ)
(何だ、お嬢)
(これから奴の心臓に時限式の雷玉を埋め込む。エレメント耐性が皆無な今なら、後日ショックを与えて死に追いやることが可能だ)
(・・・・・・了解した)
たっぷり悩んだ後、イカヅチと呼ばれた小人は渋々といった感じで頷く。イカヅチと同じ考えを持っていたか、カグヅチが慌てた様にコダマへ声をかけた。
(お、おいおいお嬢!? ここで目を
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