第一話 神生児誕生までの道のり 絶域の誕生とその栄光編
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研究員は所長室にノックも忘れて入室した。
「所長!ついにです!成功体です!一国の軍隊の戦力に匹敵する絶域攻魔力を持っています!我々の研究は今日、達成されました!」
2085年5月12日翌日13日の日本に、18万人の出生直後に絶命した出生児達の礎に二人の成功体が産まれた。
この日が来るまでには先人達の様々な苦難があった。
時を遡り 2040年、世界は地下資源の枯渇と太陽活動停滞による地球寒冷化による深刻な食糧危機に陥っていた。世界各地では紛争が絶えず、作物を輸入に頼りきっていたロシアは南に侵攻を開始した。これ対してアメリカはロシアに経済措置を行い、自国内のロシア人資産を凍結し世界の秩序は乱れ第三次世界大戦は避けられない状態に陥っていた。
中国は自軍の戦力をちらつかせ日本に対し様々な要求をした。あくまで戦争を回避したい日本はそれを呑み続けたがそれも限界に近づき始めていた。しかし日本はやっとこの時ある革新的な軍事科学技術を実用化した。
それは何処の国にもある身近な鉱石を原料にして今までに類を見ない程のエネルギーを生み出す科学技術だった。日本は2020年の時点でこの原理を発見をしていた。日本政府はこの研究を極秘扱いし多額の資金投資を行った。
しかし研究は困難を極めた。鉱石をエネルギーに変換する技術開発に手間取ったのである。実用化は2080年と言われていたがここまで早く実用化されたのは日本の危機的状況の影響が大きいだろう。このエネルギーによる産物は絶対不可侵のシールドを展開できることだ。これを開発者達は「絶対領域」と名付けた。軍では「絶域」と公式的に命名された。
絶域はまず主要な航空機、艦船、戦車、重砲に装備された。これにより日本は中国の要求を無視し国交断絶の最後通告を行った。
元より日本に戦争を仕掛けるつもりだった中国政府はすぐ様日本に宣戦を布告。すぐ様尖閣諸島に上陸し沖縄にも上陸した。余裕がなくなっていたアメリカは既に2035年時点で安保条約を一方的に破棄していたので沖縄は無防備だった。沖縄は三日ともたず奪取された。
これに対して日本は尖閣沖縄奪還作戦を発動。この作戦は大日本帝国海軍絶域連合艦隊が絶域上陸部隊を護衛する形となった。
その陣容は二隻の原子力空母、十隻のイージス艦、五十隻の軍事輸送船持ってこれにあたることとなった。もちろん全ての艦には絶域が搭載されている。そして空母艦載機、軍事輸送船内の戦車にも絶域が搭載された。
対して中国の戦力は原子力空母12隻、イージス艦70隻だった。沖縄には500両の戦車と15万人の兵員が待ち構えていた。
沖縄は中国軍の日本本土への侵攻拠点なのでなんとしてでも叩く必要があった。
2040年3月13日明朝、両艦隊は東シナ海沖縄沖で会敵した。
海では巡航ミサイルが飛び交い、空ではジェット機が舞った。中国
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