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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第3話 いい人?わるい人?わけの分からない謎な人
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ていたはやてがそれでいいならと頷いた。
その様子に満足気に何度もうなずくラディ。それを見たはやては沈痛な顔で顔を覆いながらひどい溜息をつく。
「うちこんなんに頭痛ませて胃に穴が開くような思いしとったんか。なんかバカみたいや。完全ピエロやん、うち」
「初対面から随分構えてる感じでしたもんね〜部隊長」
かなりひどいことを言われているのだが、まったく気にしてないのか苦笑いで受け流すラディ。
そこでラディは何かいいことでも思いついたのか、苦笑いから普通の笑顔に変え、ぽんと軽く手を叩く。
「じゃあそんなはやて部隊長に、自分から一つ言葉を送りましょう♪」
「ん。なに?」
張っていた緊張の糸が切れたせいか鈍い反応を返すはやてを、ラディは楽しそうな笑顔を浮かべて人差し指を向ける。
そして、その指をくるくると回した。
「か〜らま〜わり〜♪」
「………」
そのとき、その場にいる全員の耳に、なにかが切れた音が聞こえた。
「は、はやてちゃん。大丈夫、ですか……?」
「………」
恐怖と心配が絶妙にブレンドされた顔でリインがはやての肩に手を伸ばしながら声をかける。
が、返答はなし。
「は、はやて……ちゃん?」
ラディを除いただれもが恐る恐るはやての様子を覗う中、肩に伸ばした手を止めながらも果敢にもう一度リインがはやてに声を掛ける。
その結果は――
「………」
――返答なし。
薄気味悪い沈黙を垂れ流すはやてにラディを除いた全員が恐怖と心配の入り混じった視線を向ける中、もはや果敢を通り越して健気に思えてくるリインが再び声を掛けようとする。
瞬間。
「あはははははははははははっっっ!!!!」
「ひうっ!?」
突然響いた空気が割れそうなほどの大きな声ではやてが笑い出した。
これにはさすがのリインも勇気が尽きたのか、体を震わせながら身を引く。
程度の差こそあれど、相変わらず憎たらしいほどいい笑顔なラディを除いて他のメンバーも同様の反応だった。
心配と恐怖が混ざった視線から完全に恐怖一色になった視線を受けながら、しばらく声を上げて笑っていたはやては、何の前触れもなくピタリと笑うのを止め、先程の疲れた様子が嘘のように滑らかな動作で顔を上げラディを見つめる――ハイライトのない瞳で。
「ちょっと、“お話”しよか?」
「
お話
(
おしゃべり
)
って楽しいですよね〜」
淀みない動作で上げられたその手に浮かぶのは彼女のデバイスの一つ、魔導書型デバイス『夜天の書』。
風に煽られたかのようにいくつものページがめくられていくその様に恐怖のあまり誰も声を上げることがができず、ただただ青ざめた顔で見守る。
そして運命の時は訪れる。めくられていたページ
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