暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第3話 いい人?わるい人?わけの分からない謎な人
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んなご苦労さん。急な呼び出しで悪いな。ほな、時間もあまりないし、早速紹介させてもらうな」

 はやては敬礼していた手を降ろし、その手を手の平を上にして白髪の少年に向けた。

「この子が今日から(うち)に入ってもらうことになった、ラディオン・メイフィルス君や。所属はライトニング分隊。副隊長やってもらおうと思っとる。コールサインはライトニング5や」

 はやての紹介に各々頷きながら、その場にいる全員が話しているはやてではなく、ラディオン・メイフィルスを見ていた。
 好奇、期待、そして警戒。その場にいる全員の視線を受けながら、紹介されたラディオン・メイフィルスは一歩前に出る。
 だらけた様子もなく、緊張する様子もなく、慣れた様子で敬礼をし、プラスとマイナスの入り混じった視線の中で彼は口を開いた。

「初めまして。ただいまご紹介に預かりました、ラディオン・メイフィルス陸曹であります。本日付で首都防衛隊より機動六課に出向となりました。よろしくお願いします。それと――」

 額面通りの当たり障りのない挨拶。それだけに挨拶の後に付け加えられた“それと”の一言に全員の意識が集中する。
 この男はこれから何を言うのか?
 先程よりもより重みを増した視線の束に物怖じすることなく、彼はにこりと笑顔を浮かべた。
 その笑顔を見て、ティアナは確信した。
 この人は、普通の人間ではないと。
 なぜならティアナの人生の中で、これほど鬼気迫る笑顔を見せる人間を、見たことがなかったから。
 これから間接的に部下になる少女にそう警戒されたのを知ってか知らずか、彼はそのままの笑顔で、“それと”の続きを言ったのだった。

「イケメンでもなく、ワイルドでもなく、ふつーな人ですいませんね」

 隣で声のない悲鳴が上がる気配を感じながら、ティアナはこれから先の生活で待ち受けるであろう波乱を思い、頭を抱えたのだった。


○●○●○●○●○●○


 地上本部へ向かうヘリの中は、重苦しい沈黙に包まれていた。
 それもある意味当然ともいえるだろう、先程のやり取りを考えるならば。

 イケメンでもなく、ワイルドでもなく、ふつーな人ですいませんね。

 自己紹介の後に付け加えられたラディオンのこの一言に、ヘリポートで待っていたなのは達が固まったのは言うまでもない。
 原因のスバル、エリオ、キャロはもちろんのこと、なのは、シグナム、ヴィータ、ティアナも笑ってしまった手前、罪悪感を感じていた。
 初めの頃は事情が分からなかったはやてたちも、次第にどこかぎこちない顔合わせが進んでいくうちに大方のことは察したのか気まずそうな顔になっていった。
 結局、顔合わせが終わってもぎこちない空気は終わることがなく、そのままヘリに搭乗し現在に至る。
 隊長
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