暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第3話 いい人?わるい人?わけの分からない謎な人
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悪魔と恐れられる圧倒的な火力を誇る砲戦魔導師である。
 スバルとティアナの上司にあたるこの三人も、初めの頃はテンションが暴走気味なスバルを注意していたのだが、注意するたびにテンションが上がり、スパイの魅力のなんたるかを語りだすスバルに辟易し、今ではその役目をティアナに丸投げしている状態である。

 もっとも、丸投げしているこの三人でもまだいいほうなのである。残る二人に比べれば。

「スパイさんってどんな人なんですかね?きっとワイルドな感じの人だと思います!!」
「ぼく、スパイなんて映画館でしか見たことないです。ワクワクするなぁ……」

 目をきらきらさせながらスバルの話に続く桃色の髪の女の子と赤い髪の男の子。それぞれライトニング分隊のキャロ・ル・ルシエとエリオ・モンディアルである。
 先程の上司陣三人はスバルを止めようとしていたのだが、この二人はやはり子どもだからか、スパイの話に興味津々であり、スバルの話を逆に盛り上げてしまっているのだ。
 最大火力で燃え上がる炉に、石炭をフルスピードで放り投げまくればどうなるか?その答えが、今のティアナの前に広がる状況である。

 止まる気配のない三人に助けを求めて上司陣にアイコンタクトを送るのだが、わざとらしく目を逸らされた。
 お前がなんとかしろとばかりのその仕草にはぁと溜息を吐きつつ、まぁ慣れてることだしと開き直る。

(といっても、どうしたものかしらねこの状況)

 止める相手がスバルだけならどついてやれば解決なのだが、流石に子どものエリオとキャロをどつくわけにはいかない。
 これ止めるの無理でしょという諦めを頭の片隅に追いやりつつ、ティアナはなにかしらの打開策はないものかと頭を回す。
 が、そんなことは関係ないとばかりに、キャロがずずいと詰め寄った。

「ティアナさんはどう思います!?」
「へ?何が?」 

 なんの前振りもないキャロからの質問に思わず間の抜けた顔になるティアナ。
 そんなティアナを見かねてスバルがキャロの質問に説明を加えた。

「だ〜か〜ら〜、新しいスパイさんはどれかって話!!」

 安定のスバルの説明だった。
 出会ったころからそうだったのだが、どうもスバルは説明が下手だ。
 座学の成績といい頭は悪くないはずなのだが、どうにも説明の必要なところは言葉が足らず、逆にいらないところに変な言葉が入る。

(というか新しいスパイってなによ新しいって。六課に来るスパイなんて今日が初めてじゃない……)

 顔を片手で覆いながらティアナ・ランスター本日二度目の溜息。
 溜息する度に幸せが逃げるというが、これが自分の相棒だと思うと、その迷信もあながちウソではないのかもしれない。

「ええとですね。いまスパイの見た目の話になってて、スバ
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