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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
第二十四話「逃した獲物の大きさは……」
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 それは月のように綺麗な笑みで、


 見ているこちらが優しい気持ちになれるような、


 心からの笑顔だと一目でわかる、そんな優しい笑顔だった。


「……っ! さ、さあ、時間は有限だ。早くいくぞ」


 カアッと顔に熱が帯びるのを感じた俺は顔を背けながら、エストの手を掴んで歩き出した。


「あ……」


 ビクッと震えが掴んだ手から一瞬だけ伝わる。


 が、すぐにフッと力が抜けると掴んだ手に腕を絡めた。


「はい、リシャルト」


 ちらっと見たエストの顔も少しだけ赤く見えた。


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