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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
アスターテ会戦?
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め込んだようである。
 第一次アイゼンヘルツ会戦にて帝国軍を敗北から救った英雄は両派から誘われたのだろうが、あえてイゼルローン方面の陽動に出てきているのだからよほど帝都の政争は激化していらしい。
 とはいえ、彼は気力十分でもその下の将兵も同じという訳にはいかない。
 その為、今回の囮においては自領の私兵三千隻を率いるのみで、残りはイゼルローン駐留艦隊より借りる事でこの囮任務を賄っている。
 向こうは一万隻前後に対してこちらはおよそ四万隻。
 兵力差四倍である。
 これが宇宙空間において何を意味するかというと左右のみならず上下からも挟めるという事で、包囲においても効果が格段に変わってくる戦力差と言われているのがこの四倍である。
 六倍の戦力は同盟すら用意はできなかったが、同盟は彼一人を倒す為に最大限の戦力をかき集めたのである。

「現在我々が集結しているのがティアマト星系。
 ヴァンフリート・アルレスハイム・ダゴン・エル・ファシル・アスターテ等の星系には偵察隊を置いて哨戒を続けています」

 これらの星系に分散して兵を配置なんぞしたら各個撃破されてしまうだろう。
 戦場予想星系には既に避難勧告を出して、移動コロニーによって多くの民間人が避難を済ませていた。

「偵察隊より追加報告です。
 敵艦隊はアスターテ星系のジャンプポイントに移動。
 ワープ準備に入りました!」

「灯台からもアスターテ星系への航路データの提出を求めたと!」

「方面軍司令部より通達。
 敵艦隊はアスターテ星系へ来襲する可能性が高い。
 全艦隊をあげてこれを迎撃する」

 次々と入ってくる敵艦隊情報にヤンが訝しがる。
 あまりにも情報が入って着過ぎているのだ。

「おかしいな……第三次ティアマト会戦の時に徹底した情報操作をしたローエングラム提督にしては手札を切り過ぎている……」

 こういう時のヤンはある種の預言者になっているので、最注目していた緑髪の参謀がネットワークを繋いで全ての姉妹達にヤン言葉を伝える為に尋ねた。

「何か気になる点でも?」

「まぁ、気になるといえば気になるんだが、君達四倍差の敵相手にどうやって勝つかい?」

 もちろんネットワーク内でも何度も討議されている議題だから、その中の答えを彼女は即座に口にした。

「秘密兵器かすごいひらめき」

 通常手で最善を求める事に最適化されている彼女達からすれば、この二つが象徴する想定外の手に致命的に弱い。
 つまり、彼女達をして現在の同盟に負ける要素は見当たらないという事だ。

「だよなぁ。
 それぐらいしか無いはずなんだが、彼使い捨てリニアレールガンなんて事やってのけているからどうしても秘密兵器に目が行くんだよなぁ。
 けど、彼まっとうな
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