アスターテ会戦?
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ディーブローのように帝国の国力を奪い続けて、ついにイゼルローン要塞破壊時に財政破綻へと転がり落ちる事になった。
ちょうど796年、アスターテ会戦前のように。
「回廊出口の偵察隊から緊急電!
イゼルローンから出撃をした艦隊の総数はおよそ一万隻前後。
繰り返す。
出撃した帝国軍は一万隻前後!!」
おそらく、フェザーン回廊側ではもうすぐフェザーン軍と帝国軍がアイゼンヘルツ星域で戦闘に入ろうかというタイミングで、その緊急電は同盟フェザーン方面軍に飛び込んできた。
もちろん、同盟の目を引き付ける為の陽動である為に、この偵察隊は見逃されたのだろう。
そして、同盟もそれは承知していた。
イゼルローン方面軍に所属していた第二・第九艦隊に方面軍司令部直卒艦隊に近隣警備艦隊を合わせた三万隻にバラート方面軍からの援軍である第六艦隊を加えた合計42000隻を動員してこの一万隻前後の艦隊を仕留めようとしていたのである。
理由はただ一つ。
この囮艦隊の司令官が近年の同盟市民最大の敵であるラインハルト・フォン・ローエングラム提督だからに他ならない。
「一万隻……ねぇ。
寄せ集めとはいえ、戦いたくないなぁ」
戦艦セントルシアの艦橋にていつものように机に座布団を置いて座るヤンのぼやきは止まらない。
挙句の果てに、この戦いが終わった後の人事異動で准将就任が内定しているからぼやきもひとしおである。
出世が待っているから戦いたくないのではなく、純粋にさぼりたいだけなのがヤンのヤンたる所以なのだが。
「しかし一万隻ですか。
やっと帝国の国力の底が見えたというべきか、まだこれだけの戦力が出せると見るべきか」
副官のグリーンヒル少尉がなんともいえない声で呟くが、原作を考えれば緑髪の参謀とセントルシア実体化AIは手を取り合って狂喜していただろう。
もちろん、表向きはしていないが。
第一次アイゼンヘルツ会戦の後、同盟侵攻の失敗・内乱・フェザーン討伐と立て続けの軍事行動とその失敗によって、帝国の国力低下がついに表面化した。
今回の出撃前に改変された帝国軍組織改変で十八個艦隊が十二個艦隊に再編され、帝都を守護する近衛軍と三個近衛艦隊が新規創設されたのである。
これらの改変は以下の事を示していた。
十八個艦隊を維持編制できる余裕がとうとう帝国に無くなりつつある事と、軍部の掌握を急ぐブラウンシュヴァイク公と帝国宰相リヒテンラーデ公の対立が目に見える形で表面化したという事を。
近衛軍および近衛艦隊の創設は宰相リヒテンラーデ公が自前戦力の確保に動いた為で、両方合わせたら十五個艦隊になるが統一行動など取れるとは到底思わない。
で、ローエングラム提督だが、彼はこの両派の争いについては静観を決
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