オーバーロード編
第14話 彼と彼女の行き先
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イプもいたらしい。
「舞、ここ、テレビ点くか?」
「え? ああ、うん」
「点けてくれ。今回のことで世間がどうなったか確かめないと、方針の立てようがないからな」
舞は丸テーブルへ戻って、リモコンでテレビを点けた。
戒斗は戒斗で、ペコにスマートホンが繋がるか試すよう言っている。城乃内はチャッキーからタブレットを借りて、繋がるか試し始めた。
そして紘汰は、オーバーロードとの戦いで一番消耗しただろうに、外の様子を見にガレージを出て行った。
(止めても聞かないもんな、紘汰は)
裕也は舞にリモコンを借りて、テレビのチャンネルを回した。
株価、治安、隠蔽工作――どれも核心に触れないニュースばかり。沢芽市、の単語も出て来ない。
「困ったな……ミッチとも連絡つかないし」
裕也は耀子と目配せし合った。
光実は碧沙を連れて“森”へ貴虎を探しに行ったきり通信が途絶えている。言うべきか悩ましい所だ。
加えて、この場にいないライダーがどう動くか。ダークホースが残っている。
関口巴と、初瀬亮二だ。
巴が今持つドライバーは量産型。初瀬でも変身は可能だ。この二人のライダーがどう出るか。
(俺も巴ちゃんも『碧沙のため』って部分は共通してるんだけど、俺とあの子じゃ碧沙の『何』に重きを置いてるかが食い違ってる。碧沙にはミッチが付いてんだから大丈夫だとは思うけど)
「ただいまっ」
紘汰がガレージに帰って来た。
「外の様子は!?」
「インベスだらけだ。キリがない」
ここで城乃内が聞き捨てならないことを言った。
「逃げ損なって、家に閉じこもってる人、相当いるんじゃないか?」
数人がはっとしたように城乃内に注目した。
避難警報は出ていない、そもそも電波が通じない。この状況で、自己判断だけで沢芽を出ようとする住民はおそらくほぼいないと見ていい。
「じきに警察とか自衛隊とか動くんじゃ」
「動かないわよ」
耀子の声は冷たかった。努めて冷たくしようとしているように聴こえた。
「沢芽市で何かあったらユグドラシルで対処する。自衛隊は外から封鎖するだけ。そういう手筈なのよ」
「対処できてないだろ!」
すると戒斗が丸テーブルの上から地図を持って示した。
「沢芽の出口は限定されている。隔離は簡単。端からそういうつもりで造りやがったんだ」
「許せない……!」
「許せなきゃ、どうする」
戒斗は地図を放り捨て、外へ出る階段に向かって歩いて行った。
「他人を宛てにしたい奴は勝手にしろ。自分で動く意思のある奴だけ付いて来い」
「待って」
その戒斗を耀子が止めた。
耀子は持って来た鞄をひっくり返した。中から溢れ出
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