オーバーロード編
第14話 彼と彼女の行き先
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いからやる身勝手で……
思い浮かんだ文句は、たった一粒の涙に負けた。
「と、トモ!?」
「うれし、です。亮二、さ……ってくださ…いっしょに、戦って、ください…!」
涙を何度も拭いながら、ようよう言葉にした。
「――ああ、そのために来たんだから。俺は」
初瀬は巴の涙を親指で拭い、笑った。
*****
紅いオーバーロードを倒したライダーたちは、今後を話し合うために、チーム鎧武のガレージに集まることになった。
角居裕也は、ガレージに入っていく「仲間」たちの最後尾について、非常に気まずい思いをしていた。
(俺が行方不明ってことになって何ヶ月だっけ。舞の奴、怒ってんだろーなー。舞の大嫌いなユグドラシルに付いて戦ってましたって言わなきゃいけないわけだし。うわ、考えてると胃がキリキリしてきた。あ〜やだな〜)
「ちょっと。中途半端なとこで止まらないでちょうだい」
耀子が半眼で裕也を睨んでいる。裕也はドアの前の踊り場、耀子は階段の途中。
「だって俺、ちょっと前まで悪の組織の一員だったんすよ? 古巣に戻るプレッシャー、パネェんですって」
「そうね。だから?」
「だから? って……」
「気まずいのは私だって同じよ」
「耀子さん……」
少女のようにむくれる耀子は、容赦なしに裕也をガレージの中へ押し込んだ。
「裕也!?」
「裕也さん!」
舞とチャッキーがイスを蹴倒す勢いで立ち上がった。裕也が花のアーチを潜って階段を降りると、彼女らはすぐに裕也を囲んだ。
「どこ行ってたんですか! ああ! しかもそれアーマードライダーに変身するベルト!」
「ごめんなー。心配してくれたか?」
「したに決まってるじゃないですかぁ! いつもふらっといなくなるけど、今回は長すぎるって」
ねえ、とチャッキーと舞は肯き合う。
「ところで裕也さん、そのカッコ何です?」
「あー、似合わないのは分かってるからツッコまないで。――リカとラットは? やめたのか」
「……あ、その、来ることは減って、でも辞めたわけじゃ」
「そっか。ずいぶん様変わりしたな。次踊る時は俺にも教えてくれよ。振り、覚え直すからさ」
「――うん。絶対」
「さんきゅ、舞」
裕也は舞の頭をぽんぽんと叩いた。舞は笑った。
「(なあ、ザック。あれ、誰?)」
ペコがザックに囁いているが、生憎と耳聡くなった裕也には筒抜けだ。
「(チーム鎧武のリーダー、角居裕也。新戦力だぜ)」
「(マジっ? じゃあ、アーマードライダーなのか?)」
ザックが肯くと、ペコはきらきらした目で裕也のほうを見て来た。チームバロンには荒くれ者しかいないイメージがあったが、彼のようなわんこタ
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