暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
黒・白・赤の出会い
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キリトと話し出す。全身黒づくめで〈黒づくめ(ブラッキー)〉と呼ばれることも少なくない。彼も私と同じ攻略組のソロプレイヤーだ。

「そうね、普段なら向こうで済ませてるんだけどね。ちょっと《ラグー・ラビットの肉》が手に入ったけれども扱い切れないから売ろうかと思って。」

滅多に手に入らないS級食材の《ラグー・ラビットの肉》。料理スキルがマックスなら調理も出来ただろうが、生憎そこまでの熟練度に至っていない。それで仕方なく《ラグー・ラビットの肉》を売りさばこうと思って、と言おうとしたときに女性の声が割り込んだ。

「ねぇ、レミーちゃん。《ラグー・ラビットの肉》一緒に食べない? ちょっとキリト君に頼んでも一口しかくれないって言ってくるし……」

「キリト……それはダメだよ、キチンと分けてあげなきゃ。アスナ、私のも使って良いからさ料理、作ってくれない?」

割り込んできた透き通るような声の持ち主は、アスナという女性プレイヤー。キリトとは違って白い服、それもこの攻略組でのギルドの中で最強とも言える〈血盟騎士団〉の副団長だ。今までのフロアボスの攻略の際に彼女が指揮を執っていたことも多々あった。二人とも一応私のフレンドだ。三人ともボス攻略が切っ掛けではあったけれどもアスナとは懇意にしている武器屋経由でも親しくなった。今ここに居るのは攻略組のトッププレイヤー。それも黒、白、赤、と特徴づけられたカラーであった。

「え? 良いの?」

「良いよ、良いよ。その代わり、私にも料理作ってね?」

「その位ならお安い御用だよ。なら食材に免じて私の部屋で作ってあげるわ。」

これが上手い取引ということかは分からないが、アスナなら料理スキルをコンプリートしている。なら任せられるだろうと思い、私は《ラグー・ラビットの肉》を渡し、交換条件で調理をしてもらうことになった。調理場所は食材が良かったからかアスナの部屋を借りることになった。私の部屋でも出来るが、普段慣れている場所の方が良いだろうとの私の気遣いと男の人の部屋で作るのは多分材料も機材も足りないのでは? という不安から提案したのであった。何となくアスナの顔が赤らんでいたのはキリトを呼べる嬉しさなのかな? と勝手に想像しつつ、エギルに《ラグー・ラビットの肉》は売らないことを告げて大層がっくり来ているのを見ながら私とアスナのホームタウン〈セルムブルグ〉へとキリトと共に向かうのであった。その時アスナの取り巻きの騎士の中で何やら嫌そうな奴が居たが、気にしないことにした。
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