第百六十五話
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第百六十五話 新しい曲
華奈子が美奈子にまた言ったことはというと。
「新しい曲作らない?」
「作曲?」
「作詞とね」
その両方をというのだ。
「クラウンの新曲ね」
「そういえばね」
言われてだ、美奈子も気付いて言う。
「最近新曲作ってないわね」
「そうでしょ、だからね」
「そろそろなのね」
「曲作ってもいいかなって思うんだけれど」
「それはわかったけれど」
美奈子は華奈子に言葉を返した。
「具体的にはどうするの?」
「具体的にはって?」
「だから。どういった曲がいいの?華奈子は」
音楽のジャンルはどうするかというのだ、新曲の。曲と一口に言ってもその音楽のジャンルは様々だからである。
「私達はバンドだけれど」
「ロックかポップスかっていうの?」
「メタルでもパンクでもね」
音楽のジャンルは実に様々だった、美奈子もそれを言う。
「何でもあるけれど」
「ううん、ポップス?」
「それにするの?」
「あたし達のグループってポップスが一番多いじゃない」
演奏する音楽は、というのだ。
「だからね」
「ポップスにしようっていうのね」
「うん、具体的にはね」
「それじゃあそれで作詞作曲するのね」
「皆でする?」
その作詞作曲は、という華奈子だった。
「そうする?」
「そうね、皆でしましょう」
「亜美ちゃんも入れてね」
七人でなったからだ、彼女にも参加してもらおうというのだ。
「それでいこう」
「何かいきなり話が出来て進むわね」
「あたし達の場合はよくそうなるわね」
華奈子も自分で言う。
「何でも」
「そうね、大抵華奈子が言ってね」
「あたしがいつも言いだしっぺなのね」
「結果としてね」
そうなっていると話してだ、そうしてだった。
何はもあれだ、新曲の動きがはじまった。それはすぐにだった。
二人からメンバー全員に伝えられた、そして七人全員で新曲を作詞作曲するかどうかということから話をはじめるのだった。
第百六十五話 完
2014・9・9
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