マクロスF
0763話
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その報告がもたらされたのは、シェリルがバジュラ相手の戦闘に協力するとグラス大統領に告げた翌日の事だった。いつものようにシェリルとの気怠い朝を過ごしていた俺は、携帯の鳴らす呼び出し音で半分程目覚めていた意識を完全に覚醒させられ、手を伸ばして携帯を見る。通信相手はオズマ。
時計を見ると、午前6時過ぎ。確かに朝の早い人物は活動をしている者もいるが、それでも電話を掛けてくるのに相応しい時間では無い。
「んん、アクセル……? 何なの、こんなに朝早くから」
シェリルもまた、艶っぽい声を上げながらこちらへと視線を向けて来る。
まぁ、シェリルの場合は今日もライブがあるって話だから、それも無理は無いんだろうが。
「気にするな、お前はまだ寝てろ。昨日の夜は色々と疲れただろ」
「……」
そう声を掛けてみるが、シェリルは俺の言葉を最後まで聞かずに既に眠りに落ちているところだった。……いやまぁ、確かに色々な意味で昨夜の疲れが溜まっていただろう。
そんなシェリルのストロベリーブロンドの髪を軽く撫で、改めて鳴り続けている携帯の通話ボタンを押す。
『出るのが遅い!』
「いやいや、時間を考えろよ。避難警報とかが鳴ってないって事は、別にバジュラが攻めて来たとかそういう緊急事態でもないんだろ?」
『確かにそうだが、それよりももっと大きい出来事だ』
「……何があった?」
オズマの口調に真剣なものを感じ取り、俺も小さく頭を振って意識をはっきりさせてから問い返す。その問い掛けに戻って来たのは、予想外のものだった。
『新統合軍から連絡があった。どうやらランカのフォールド波を捉えたらしい。偵察機としてフロンティア船団の周辺に散らばっている機体が捉えたって話だ』
「……マジか? グレイスの妨害工作とか、そういう理由じゃ無くて?」
『新統合軍の分析官が分析したとこでは、大マジらしい。向こうにしても、ランカが歌えばフォールド波でこっちに位置が知られるのは当然承知している筈だが……』
「それでも歌わせなければならない何かがあった、と?」
『ああ。そして、ランカに歌わせるとなると理由は1つしか無い。恐らくはバジュラに襲われたんだろう。その対応でやむを得なくランカの歌を使った』
……なるほど。確かにそう考えれば辻褄は合う。だが、ランカが自分を連れ去ったグレイスやキノコを助ける為に歌うか? ……歌うな。俺から見れば優しいというよりも甘いと感じるが、その出自はともかくとして、育ちは一般市民のランカだ。歌わなければ皆が死ぬと言われれば当然歌うだろうし、そもそもランカを連れ去ったシャトルが沈められたりすれば、ランカ自身が死ぬのだから。
「それで、ランカを含めた者達の正確な居場所は判明したと思ってもいいのか?」
『大まかな位置はな。現
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