幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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ムMk2が魔法を使える事も驚きだが、重要なのはそこではない。
“煉獄砕破”は人間の魔導士が使っても、力量しだいで辺り一帯を消滅させるという、甚大な被害を出す魔法なのだ。ファントムMk2の大きさでそれを使えばどうなるかなど、考えたくもない。
因みに、ロキの推測ではカルディア大聖堂、つまりマグノリアの半分は余裕で灰燼に帰すとの事である。
当然、妖精の尻尾はこれを阻止するべく行動を開始した。
「ミラ、あの魔法の発動リミットは?」
「魔方陣を描くスピードからして……10分、ってところかしら。なんとか動力源を壊せれば……」
「中の連中も同じこと考えてるだろうね」
「……連中? ナツだけじゃないの?」
「ああ。グレイとエルフマンだ」
「エルフマンが!?」
彼が“ジュピター”を壊すためにハッピーと飛び立ったところまでしか見ていなかったミラジェーンは、カナから弟のエルフマンもグレイやナツと一緒に巨人に乗り込んでしまったと聞いて動揺してしまう。
エルフマンは二年前の妹の死に直接的に関わっている。それがトラウマとなって“全身接収”を使えなくなってしまっているのだ。
カナの話では、オーク支部への殴り込みでは役に立っていたとの事だが、幹部相手ではどうなるかなど、姉の自分には分かり切っていた。
だから……戦えなくても自分にできる事をしようとした。
「目的は私でしょう!? 今すぐ攻撃をやめて!」
敵の捕獲目標であるルーシィに変身して身を晒し、“煉獄砕破”を止めようとしたのだが……
【消えろ、偽物】
標的を前線に置いたままにしておくはずがない、と嘲笑うジョゼにあっさりと看破されてしまう。
かつては“魔人”と呼ばれた自分が、大切な弟や仲間のために何一つできない。
その事実にうちのめされ、彼女は無力に泣く事しかできなかった。
そんな彼女に、幽鬼の支配者は、ジョゼはさらに追い打ちを掛ける。
【我々を欺こうとするとは気に食わない小娘だ】
「きゃっ!?」
「ミラ!?」
ファントムMk2の指で俯いて動かない彼女の身体をつまみ上げたのだ。
【そのまま潰してしまえ】
「あ……ぐ……」
ジョゼの命令で、ファントムMk2は万力のような力でミラジェーンの細い身体を締め上げ、彼女は苦悶の呻き声を上げる。
その時だ。
「なんでそこに居るんだよ……姉ちゃん!!」
焦燥が混じりの聞き慣れた声に、彼女は身体の自由が効かないなりになんとか首を回すと……崩れた壁から、追い詰められて這いつくば
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