幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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ファントムロード》へ乗り込んでいく。
「俺も……」
「ワタルは休んでな! エルザもだ!」
「だが、そんな場合じゃ……」
「大将がそんなんじゃ、格好つかないだろ? ここぐらいは任せてくれ」
ナツ達に加勢しようとしたワタルだったが、カナに止められる。
エルザ共々抗議しようにも、ロキのウインク交じりの言葉と、他の者たちの『ギルドを守る』という断固たる決意に遮られ、黙ってしまう。
彼らの顔は、“ジュピター”を向けられていた時のものとは比べ物にならないくらい強いものだったのだ。
その変化の切っ掛けは、ワタルとエルザの“合体魔法”。
心の底から認め合い、信じ合う者たちにしか為し得ない超高難度魔法を、ぶっつけ本番で成功させた二人の姿は、“ジュピター”の脅威に怯えていた者たちにとっては希望の炎にも等しかったのだ。
「アンタ達の勇気に、今度は私たちが応える番だ! いくぞ、野郎ども!!」
カナの戦闘開始の号令に気合の声を上げる魔導士達は、ジョゼの“幽兵”と真正面からぶつかり合う。
そんな彼らの勢いに押される形で、ワタルとエルザは魔力がある程度回復するまでの間なら……と、渋々ながらに休息を認めてしまうのだった。
防衛戦が始まると、ミラジェーンはルーシィをリーダスの“絵画魔法”で創造した馬車で避難させた。
その後で、彼女は多少強引にでもワタルとエルザを魔力回復のために休息させようと、“睡眠”をかける。むろん同意の上であり、戦争の空気では休めるものも休めないため、何もしないよりはましだという処置だったが。
そして、ナツが“ジュピター”の砲身に乗り込んでから15分……再発射のタイムリミットが訪れるか訪れないかというギリギリのところで、砲身に充填していた魔力が暴発、ジュピターは内部から崩れ落ちた。もちろんナツの仕業だ。
彼の成功に沸き、カナたちは勢いに乗って一気に“幽兵”を殲滅しようとしたのだが……幽鬼の支配者はそれを許さなかった。
3対6本足の幽鬼の支配者があろうことか変形し、2本足の巨人になったのだ。
想定外も想定外の事態に、妖精の尻尾の魔導士達の度肝を抜いたのだが、それだけで終わるはずも無く……巨大ロボット・魔導巨人ファントムMk2は、人間でいう手に当たる部分を虚空に何かを描き始めた。
それは円と線と奇怪な文字を組み合わせたもの……つまり巨大な魔法陣。それも、余りの強力さから魔法評議院によって禁忌魔法に指定されている“煉獄砕破”のものだった。
ロボットであるファント
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