幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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「あたし……」
「仲間を売るくらいなら、死んだ方がマシだ!!」
「俺たちの答えは何があっても変わらねえ! お前らをぶっ潰してやる!!」
「「「「おおおおおおおおおおっ!!!」」」」
このままではまたギルドの皆が、自分を守るために危険にさらされてしまう。
そう思ったルーシィは苦しげに声を漏らすが……エルザ、そしてナツの啖呵に賛同して拳を振り上げて叫ぶ仲間たちに、両目から悲しみと嬉しさがないまぜになった涙が溢れ、嗚咽を漏らさないようにするので精一杯だった。
口を覆う右手に刻まれている妖精の紋章で繋がっている仲間の、嵐の海の波のように荒くも、太陽の光のように温かい感情に涙を抑えられなかったのだ。
【ならば特大のジュピターを喰らわせてやる。再装填までの15分、せいぜい足掻くがいい!】
「また撃つか……クソ!」
「ギルドを、守らなくては……」
ジョゼの無慈悲な返答に立ち上がろうとするワタルとエルザだったが、身体は意思に反してふらついてしまう。“合体魔法”の大きな魔力消費が、彼らの自由を奪っていたのだ。
だが、妖精の尻尾を襲ったのは、15分というタイムリミットだけではなかった。
【地獄を見ろ、妖精の尻尾。貴様等に残された道は二つに一つ……“ジュピター”に吹き飛ばされるか、我が兵に嬲り殺しにされるかだ!!】
ジョゼのさらなる怒りと共に、幽鬼の支配者のギルドから、ローブとマントを纏って剣を持った黒い影のような人型の物体が、砂糖に群がる蟻のように押し寄せてきたのだ。
影の名は“幽兵”。
ジョゼの魔法が生み出した幽鬼の兵士は、まるでゾンビのように恐怖も怒りも知らず、ただ創造主の命にのみ従い妖精の尻尾に迫る。
「クソ……!」
「ああは言ったが、“幽兵”とは……ジョゼめ、容赦ねえな……」
ふらつきながらも再び立ち上がって戦おうとするワタルとエルザを止めたのはカナだった。
「ワタル、エルザ、アンタ達は休んでな。今度は私たちがギルドを守る!」
「ここは僕とカナで守りを固める! 後は“ジュピター”をどうするかだが……」
ロキが続くが、問題は“幽兵”だけではない。15分というタイムリミットがあるものの、“ジュピター”は未だ健在なのだ。
「俺が行く。15分だろ……ぶっ壊してやる! ハッピー!」
「あいさー!」
「エルフマン、俺達も乗り込むぞ!」
「おう!」
ナツが両の拳をぶつけながら名乗りを上げ、ハッピーの翼で“ジュピター”の砲身へ向かい、遅れてグレイとエルフマンも別ルートで|幽鬼の支配者《
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