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『自分:第1章』
『真実』

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このクソ暑い真夏に。
ただでさえ大っ嫌いな真夏に。
嫌でも脳裏に貼り付いて剥がれん...
養父の気色悪い記憶と感触と汗臭さが鮮明に蘇る。
膣と子宮の痛みも...
真夏は狂い死にしそうなくらい大っ嫌い。
追い討ちかけんといて。
過呼吸も悪化する。
頭が割れそうなくらい痛い。

逃げたい。
耐えれん。
死にたい。
殺して...

そんな根深い闇から這い上がって足掻いて生きてきたのに...

母さんを放置して逃げた。
裸足のまま走り出した。
港に着く。
手首を切り落としてしまおうか。
海に沈んで堕ちて逝きたい。
海月と共に、この広い海に抱かれて融けて消えてしまいたい。

バス停のあの重い石を括り付ければ、泳げてしまう自分でも海底迄沈める筈。
苦しいだろうけど沈めるなら確実に死ねる。

飛び降りも薬物も自傷行為も...繰り返す度に死に損なった。
次は完全に確実に死にたい。


また、あの時みたいに考えてる...組長と約束した筈...死なんって...
あの時の皆の想いを裏切るん?
組長を...?

あかん。
シッカリ生きなあかん。
あの時に堪えた涙、堪えきれずに溢れ流れた涙。
無理矢理笑って皆と分け合った苦しみ。
同じ傷を抱えた...
あの時に比べれば...



独りで耐えてきた。
深い深い闇に堕ち涙すら流れず凍り付いた心。
誰も手を差し伸べてくれず助けを求めることを諦めた。
壊れて堕ちていった。
あの頃に比べれば...


今迄確かに辛かった。
苦しかった。
何回も自殺未遂を繰り返して、それでも今此処に生きてる。
今、此処で...
自分の存在がある。
それが全て。
生きてる。
生きていく。
生きなあかん。
支えてくれてる人が必ず居る。
受け止めてくれる人が居る。
心配してくれる人が居る。
大事にしたいと想える人が居る。
大事に想ってくれてる人が居る。
そんな人達が今の零那を見たらどう思うか...
ガッカリさせたくない。
成長したい。
成長し続けたい。
冷静になってから帰宅した。


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