下忍編
鈍る
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自然、身体、生命エネルギーというのは極端に言ってしまえば、生命反応と似たようなものである。万物、生きている限りそのエネルギーを保有する。
そしてそのエネルギーは、どんなに気配を殺そうと、命がある限りその存在を殺しきれない。そして、カトナは、自然エネルギーを通し、身体エネルギーを見付けることが出来る。
もっとも、その精度は高いが、普通の探索術と比べたら範囲が狭く、約半径25メートル以内にしか通用しない。また、術式が複雑…逸脱の術に、分身の術などを足した術式になっているため、いざというときにすぐさま発動することが出来ないので、役に立つことは少ない。が、今は役に立った。
カトナは次の瞬間、近くの木から押し殺された気配を察知する。
「そこ、ね」
「…あら、気が付かれちゃったの」
そういって、木陰から女が出てくる。完全な死角だというのに察知されたということに、女の喉が知らずしらずのうちにごくりと鳴る。
「思ったよりもいい人材ねぇ」
笠を深くかぶり、べろべろと赤く長い舌を伸ばし、目を見開いた女に、カトナはげっと顔をしかめつつも、腰を低くおとした。
…ここで、いつものカトナならば、ここから逃げていたはずだ。相手の実力を見きわめ、生き残れるかの可能性を模索し、カトナは逃走を行ったはずだ。
なのに、なぜ逃げなかったのかというと、それは誇りでもなく強さでもなく、負けず嫌いでなく。ただ、勘が鈍っていたからでしか、なかった。
死の森中心に向かっていたのは、ポテンシャルが高く、下忍のなかでも飛びぬけている第七班であるが、彼らが一番得意としているの相手の情報を得て、計算に計算を張り巡らせた罠を利用した戦闘であるからである。
サスケの写輪眼で相手の情報を見抜く…もしくはサスケとカトナが戦闘をし、相手の情報を引き出す、サクラの頭脳で情報の分析を行い、相手の弱点を突く作戦を考え、カトナが大胆なものをぶっこむ、というのが、今の七班の基本態勢だ。
罠を基本とした忍びらしい戦い方を基礎とするのを好む彼らは、さっさとわなを仕掛け、その罠に引っかかる実力が自分達より下の物を倒すことを目的としていた。
しかし、何も彼らは荒事が得意ではない…というわけではない。
むしろ、班の中でも一番目立つサスケは、一見クールかつ冷静に思考するタイプに見えるが、根は、ナルトと似た熱血であり、短気でもある。カトナに至っては、その時その時の状況で、自分の一番得意なものが変わるため、荒事もまた得意としている。そしてこの二人の仲間あるサクラもまた、荒事に向いていないとはいえ、そのフォローをする程度にはなれている。
が、彼らの感覚は少々麻痺していた。
というのも、彼らの周りは才能の塊だらけだったからである。
周りといったが、何も、木の葉の里の忍び全
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