≪アインクラッド篇≫
プロローグ リセットの享受
プロローグ 郷愁の日々 その壱
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ていたと思っていた火力が実は無かった。突き攻撃なら十二分に火力がでるが、リーチがなく重い武器で突きは厳しい。
ソードスキルで何とかなるかと思ったが現段階で持てるソードスキルにはダッシュ刺突技なんて都合のいいものはなかった。
これはまさしく弱点だらけの武器、『使い手が』珍しい武器だ。
しかし先程のソードスキル≪罰≫は中々の威力だった。それはフレンジーボアに攻撃が当たったと思った瞬間に爆散したことから分かる。
この世界では、失ったHPは一瞬で喪失するシステムではなくスピードを持って喪失する。
例えばHPジャズトのダメージを喰らっても、HPバーは十割、九割、八割、…と減っていって最終的にゼロになる。その時間はダメージ割合にきっちり比例して短くなる。
つまりHP十割分の攻撃でのHP減少スピードとHP二十割分の攻撃でのHP減少スピードは二倍ちかく違う。
その点を踏まえると≪罰≫の威力は相当だ。ヒットしたと思った瞬間に敵の五割ほど残っていたHPは全損した。その時間はまさしく刹那だった。
敵に密着し心臓にソードスキルを当て、一撃必殺。度胸は要るが間違いなくこれがこの武器を最大限に活かした戦法だろう。
「となるとステータスはバランス型だな。武器も重いし、正確性もいるし」
考えを纏めるためにぽつりと呟き、ウインドウを開く。すると鈴を鳴らすような効果音とともにステータスが表示される。
まだステータスにポイントを割り振っていない。二つあるスキルスロットも片方に≪手甲剣≫の文字があるだけでもう片方は空白だ。
一応ジャマダハルの武器ジャンルには短剣もあるので≪短剣スキル≫も可能なのだが、折角なので手甲剣にしている。そっちのほうがマイナーそうだったから。
――この武器のスタイルにあったビルドを作るために割り振りを保留していたのはやはり正解だったな。
ステータスの割り振りはスキルスロットと違って振り直しができない。よってステータスの振りはかなり慎重にしなければならない。
俺はステータスを振る前にスキルを先に決めようと思い、スキルの空白をタップする。そこからいくつものスキル名がずらりと並んでいた。
短剣スキルは手数を重視したようなスキルなのに対し、手甲剣は暗殺を意識したようなスキルだ。ソードスキルの一つに≪暗殺≫があることからもそれは分かる。となると二つ目のスキルには暗殺に向きそうなスキルを選択しなければならない。
≪片手剣≫≪片手用曲刀≫≪短剣≫≪片手斧≫といった武器のスキルが最初に来て下にスクロールすると≪鍛冶≫≪料理≫≪釣り≫≪裁縫≫と平和的なものが並び、次に≪索敵≫≪威嚇≫と見て――――
「おっ! これは中々……」
その中で一番目を
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