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ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
プロローグ リセットの享受
プロローグ 郷愁の日々 その壱
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 二十一世紀の最高傑作とも言われる、≪ソードアート・オンライン≫。このタイトルが発表された当初の俺の興奮様はまさしく狂乱そのものだった。
 仲の良い友人に「狂ったか」と真顔で言われた後でも、俺は破顔を止める事ができなかったほどに狂喜していた。

 ≪ソードアート・オンライン≫略して≪SAO≫を語るにはまずこのゲームのハードについて説明しなくてはならないだろう。
 ゲームハードは≪ナーヴギア≫と呼ばれる次世代ゲーム機だったのだが、やはりというか新時代にはいる時の普遍的一般的流れというのか、ナーヴギア発売から長い間ゲームソフトの数は殆ど増えなかった。

 ナーヴギアは頭から顔までを覆うヘッドギアでその内側から電波だが信号素子だがを使ってユーザーとダイレクトに接続する。ここでの接続はゲーマーなら一度は考えたような接続だ。自分の五感をゲーム内のアバターそのものに完全かつ完璧に反映させる。

 かつてのゲームを『ゲーム内のアバターをコントローラで操作する』と言うのならば。
 ナーヴギアのそれは『ゲーム内のアバターを自分自身で体験する』という感じだろうか。

 このように仮想世界を直接冒険、体験できるナーヴギアを開発した電気機器メーカーは次のように表現した。
 完全ダイブ、≪フルダイブ≫と。

 このフルダイブの特色はやはりというか現実と仮想の完璧な隔離だろう。ナーヴギアは脳から発せられた命令信号を体の末端に到達する前に直接回収する。そのため仮想空間で走っても現実の体は走ったりすることはない。この隔離は絶対的で、プレイ中に本体の体が青痣だらけになるような心配はない。
 しかしこのためナーヴギアでゲーム中の体は、椅子なりベッドの上なりでだらりと鎮座しているために傍から見れば奇妙で無防備で間抜けそのものだ。

 そのことに仲の良い友人は「悪戯しほうだいじゃないか」と中々危険なことを言っている。まぁこのことは正鵠を射ていてナーヴギアの説明書にも『戸締りはちゃんとしてください』と書いてあるほどだ。――話が逸れたが、このような高度な技術を用いて大きなタイトルを出すゲームソフト会社はやっぱりまったく、いなかった。

 長い間はぱっとしないタイトルが続いた。教育系や環境系やパズル、そんな駄作群の中でもなかなか面白かったのは≪アフリカ冒険記≫というアフリカっぽいとこで架空のアフリカ象やらキリンやら豹やらトラやらと戯れるゲームだったのだが、このことも個人的な事として置いておこう。

 そして、ナーヴギア販売から半年後に件のソードアート・オンラインが発売された。これもゲーム社会の当然の流れというのだろうか、SAOを発表したのはナーヴギア開発者の茅場晶彦率いる大手株式会社≪アーガス≫だった。

 SAOのジャンルはVRMMORPGというつまり、仮
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