2.僕とボク
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が、野生の感も含め、否定を続ける
「お前は違う。黒子じゃぁない。雰囲気も違うし、おまけに目の色も違うな」
「……」
黒子は微笑したまま、火神を見つめて動かない。
無言ということは、肯定と受け取った火神はキッと目の前のクロコを睨む
「黒子はどこだ」
「…黒子はボクさ。…体はね?」
微笑したままそう話すクロコに火神は目を見開く。
”身体は?”
「どういう意味だ。」
「そのまんまの意味ですよ。僕は黒子テツヤ。でもそれは体の話。今中に居るのは…そうですね。裏の黒子?」
「裏の黒子?」
黒子はそのまま続ける
「いつも火神君の前にいるのが表の黒子。そして、これが全くの別の顔を持った裏のボク。」
「…」
(理解してないでしょうね…)
黒子は多分(いや絶対)理解していない火神に小さくため息をつき、すっと一歩後ろに下がる。
「あっ、おい!」
それに気づくのが少し遅れた火神だが、黒子に手を伸ばす。
それをクロコはすっと避け、ふっと微笑む。
「今回”も”邪魔されちゃって僕は出れないし…。いつか絶対、ボクが君自身となるからね。…そうなったら、よろしくね、火神君」
そう一言クロコは言うと、黒子の身体はぱたっと道端に倒れた。
はっとして火神が黒子の身体を揺する
「黒子!?」
目は覚まさないが、息はある。
火神は安堵の溜息を付くと、黒子を背負った。
「…黒子、あいつまさかこれで…」
クロコは”も”と言った。ということは、中学校時代からあるのだろう。
そして、それを言わず、黒子は学校にも来ていたのだ。
相棒のことが心配だったのは確かだ。
(症状を聞いたりはしたか…?俺…)
自分が黒子のために、今回何も出来ていなかったということを改めて分からされた上で立ち上がった。
(黒子に謝らないとな…)
そう心に決めた火神は、立ち上がり、自分の帰路についた…。
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