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黒子のバスケ-黒子と黒子-
2.僕とボク
    
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「夜か…」
そう月を見上げてぽつりと呟くのは、水色の髪、2年目の新設校である誠凛高校の制服を着た…
黒子の姿があった。
その黒子はふぅっと息を吐くと自分の手を見つめ、握ったり広げたりを繰り返してみる
「また”僕”のせいで出遅れちゃったじゃないですか」
そう”僕”という人物に向かって愚痴を言うが、顔は真顔でもなく、怒ってもいない。
???何故か、笑っているのだ???
黒子はキョロキョロとあたりを見渡して首を傾げ、腕を組む。
「…ここどこでしょうか。見覚えないですね」
自分の足で歩いてきたのに、見覚えが無いようで首を傾げたままでいる。
そして、「まぁ、いいか」とぽつりと呟くと、道を進んでいった。

黒子は街灯でしか周りが見えない暗さの道を歩いているのだが、バタバタと黒子のほうによってくる足音があるのに気付き、ぴたりとそこで止まった。
そして、息を吐くと口を開いた
「ボクになにか用ですか?」
「…わ、悪りぃ!今頃何してるかと思って…」
黒子がすっと振り向くと、そこには頭を下げている火神の姿があった。
黒子はキョトンとした顔で火神を見ていたが、口角を緩め
「誰かと思いました。」
とだけ言い、くるっと向き直り歩き始める。
いつもなら毒づいてくるのに…と不審に思った火神は、自分と距離を取るようにすたすたと歩いて行ってしまっている黒子の腕を掴む
掴まれたことによって動きを止めた黒子だが、火神は、様子がおかしいと思った。
「黒子。お前なんかおかしくねぇか?」
火神はそう黒子に向かって言ってみた。
すると黒子の肩がピクッと震えたと思ったら、くるっと振り返った。
水色の髪に、誠凛の制服。黒子がいつも持っている鞄に、吸い込まれそうになるほどの綺麗な水色の瞳…。
「黒子。」
「はい。」
「お前、黒子じゃねぇだろ」
火神はすぱっと思ったことを口にした。
黒子の瞳の色は綺麗な水色だ。…だが目の前にいる黒子の瞳は、
水色に灰色を混ぜたような、暗く光を失ったような瞳だった。
確かに、黒子は気分が悪く、光はあまりなかったかもしれない。
だが。だが、だ。
火神は黒子と目を合わせたりしているが、今自分の目の前にいる黒子(じんぶつ)みたいな目はしていないことに気付いたのだ。
光りは無くても、純粋で素直な色をしていた黒子の瞳は、目の前にいる黒子(クロコ)にはなかった。
その火神の前にいる黒子らしき人物…クロコはふっと微笑んだ。
「何言ってるんですか。火神君。ボクはボクです。」
声のトーンも同じだ。先日会ったばっかりで、今日が会うの2日目…とかの人物ならば気付かない程度の違い…。
だが、火神はどうだ。会うのなんか2日目だけじゃない。それに、目だって人一倍見てきているはずだ。
黒子と同じコートに立ち、プレイをしてきている火神
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