第2話:海鳴パニック!
[8/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だいぶ速いテンポで投擲していたために、火炎瓶を作るための材料が無くなってしまったのだ。
攻撃が止んだことを察知した樹枝達は、報復とばかりに借金取り達に対して再び攻撃を開始する。
「うわあああっ!」
先程とは比べ物にならないような怒涛の反撃を見せる樹枝達に対して対抗手段を失った借金取り達は、全力で走って逃げることしかできなかった。
借金取り達は鞭のようにしなる樹枝に次々と吹き飛ばされていき、倒れ込んだまま動かなくなってしまう者も少なくはなかった。
「サブ、アキラ! …こンのクソ植物がああああああああああ!」
仲間が次々と吹き飛んでいくのを見て激昂したアニキは、倒れている仲間の持っていた鉄パイプを拾って握りしめ、襲い来る樹枝に向かって走り出した。
無謀と分かっていながらも、仲間を痛めつけられたことによる怒りがアニキを躊躇わせなかった。
だが、その怒りはすぐに行き場を失うことになる。
「ッ!? 植物が、消えた…!?」
仲間たちを痛めつけた憎き植物たちが、一瞬にしてその姿を消したのだ。
今まで自分達が遭遇していた出来事は幻だったのか、いや、植物が消えた今も、植物によって蹂躙された傷跡が周辺には残っている。
まるで狐につままれたような感覚に、アニキは訳が分からず今まで以上に混乱していた。
「一体、何がどうなって――いや、今はアイツらを助けねぇと!」
アニキはこの一連の出来事を考えることを一時的に放棄し、ボロボロになった仲間たちの救援に向かうのだった。
ちなみに、大樹やその樹枝達が消滅する直前に空に桜色の閃光が走ったのだが、激昂していたアニキはそれに気づいていなかったことを付け加えておく。
「てやあああああああッ!」
「キエエエエエエエッ!」
なのはや竜馬達、借金取り達とも別の場所で、鳥竜館四天王の青年とスキンヘッドは暴れまわる樹枝と戦っていた。
スキンヘッドは愛用のヌンチャクで樹枝を捌き、青年に至っては徒手空拳で樹枝と渡り合っている。
この二人と比べ、人数や武器で勝っていたであろう借金取り達が樹枝達相手に苦戦を強いられていたことを踏まえて考えると、鳥竜館で修業を積んだこの二人が、常人を遥かに超えた戦闘能力を持っていることが窺える。
「なんなんだこいつらは! 何でコンクリートジャングルが植物まみれになってるんだ!?」
「片づけても片づけてもキリがない! これでは師範もどうなっているか…」
「バカ言うな! 師範がそう簡単に負けるものか!」
「しかし、この量ではさすがの師範でも勝てるかどうか―――ッ! 何だ!?」
青年とスキンヘッドが言葉を交わしながら樹枝達の勢いをなんとか凌い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ