第2話:海鳴パニック!
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魔法の準備を始める。
「―――!!」
そのなのはの行動を感じ取ったのか、竜馬に向かっていた枝がなのはへと標的を変えて一斉に襲いかかった。
「テメェらの相手は俺だ!」
竜馬は砲撃が可能になるまでの時間を稼ぐため、それを妨害しようとなのはに向かう枝達を全力で迎撃していく。
だが、如何せん数が多すぎる。この海鳴の街に出現した十数の大樹からそれぞれ数十の、合計で実に百を超える数の枝が襲い掛かってくるのだ。空手の達人でありかつては歴戦の魔導士でもあった竜馬でさえも、それらの猛攻にはさすがに手を焼いていた。
「クソッ、数が多すぎる! なのは、まだか!?」
「もう少しです! あと五秒だけ――」
なのはが言い終わる直前、竜馬がなのはの方をほんの一瞬だけ向いたその瞬間にできた隙を突き、竜馬の魔力弾を掻い潜った一本の枝がなのはの喉元を狙って伸びてきた。
「しまった! なのは!」
『Master!』
「えっ――」
竜馬に続いてレイジングハートが警告する。だがなのはが気づいた時にはもう遅かった。反応して回避行動を取ろうとしても間に合わない。たとえ避けたとしても砲撃のために収束させた魔力が分散してしまい、そうなればもう狙い撃つチャンスは無いかもしれない。
(――だったら!)
よってなのはは回避行動を取ることを諦め、刺し違えてでも目標の核を狙い撃つ決断を下した。
とても小学三年生の女の子とは思えない決断ではあるが、なのはにはその方法しか無いと、そして何より、この事態を招いた責任の一端を担った者として、自分を犠牲にしてでもどうにかしなければと考えたのだ。
(ごめんなさい…お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん…ユーノ君!)
「なのはァァァァァァァアッ!」
なのはが愛する人々を思い浮かべ、心の中でそう呟いたその時であった。なのはの肩に乗っていたユーノが迫りくる枝に向かって跳躍し、同時に光に包まれた。
「―――えっ!?」
その時起きた光景に、なのはは思わず言葉を漏らした。光の中から民族衣装を着たクリーム色の髪の少年が姿を現したかと思えば、魔法陣の形をしたシールドを展開、なのはの目と鼻の先まで迫っていた枝を寸前で食い止めたのだ。
「ユーノ…君…!?」
「なのは! 今のうちにやっちまえ!」
「あ…はい! えええええええい!」
収束した魔力が解き放たれた瞬間、それは光の奔流となって一直線に伸びていき、樹木たちの核となっているジュエルシードを瞬く間に飲み込んでいった。
時を同じくして、山中の鳥竜館から竜馬を追って海鳴の街に降りてきた借金取り達は、うねう
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