第2話:海鳴パニック!
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」
竜馬とユーノの作戦会議を聞きながら、なのはは考えていた。先程竜馬に『この件はなのはの所為ではない、気にする必要はない』と言われたものの、なのはの心の中はやりきれない思いで満ちていた。
そして同時に、自分の力でこの状況を打破するために少しでも貢献できないだろうか、とも考えていた。
「…元を――」
「え?」
「元を見つければ、いいんだね?」
(ほう…)
しばらく沈黙していたなのはが唐突に発した言葉に、ユーノは思わず聞き返した。
竜馬はそんななのはの顔を見て、思わず笑みを浮かべた。なのはが先程まで見せていた落ち込んだような表情から一転、キッとしたような、何か覚悟を決めた風な表情へと変わっていたのだ。
なのははレイジングハートの先端部分を、眼前にそそり立つ巨大な樹へと向ける。
『Area Search』
レイジングハートのコアから機械的な音声が発せられ、それに合わせてなのははレイジングハートを水平に軽く振り出し、自身を中心にコンパスのように一周させる。
「リリカル、マジカル! 探して、災厄の根源を!」
なのはが呪文を詠唱した次の瞬間、桜色の光が天へと向かって伸びていき、小さな魔力スフィアへと姿を変えて、四方八方へと広範囲に散らばっていった。
自身が発した桜色の光がスフィアとなって拡散したのを確認すると、なのはは目を瞑って意識を集中させる。
散らばったスフィアはカメラのような役割を果たし、なのはの脳裏にそれぞれのスフィアから送られてきた、あらゆる位置から見た多くの情景が映し出される。
大樹の枝で埋め尽くされた街中、大破した自動車、太い根が地面から盛り上がったことによって道路にできた亀裂など、その情景は痛々しいものだらけだ。
なのははそんな多くの惨状を見せつけられ、心を痛めながらも、脳裏に映し出される多くの情景を切り替えながら、核となっているジュエルシードの在り処を探す。
そして数十番目の映像を確認したとき、なのははついに核となっているジュエルシードと、それを発動させたと見られる互いに抱きしめあう少年と少女を発見した。
「…ッ! 見つけた!」
「本当!?」
なのはの報告にユーノは驚きを隠せなかった。今なのはが使った広域探索の魔法をユーノは教えておらず、レイジングハートの助けがあったとはいえ、素人のなのはが自力で使用したということになる。想いと才能の成せる業であろうか、複数の計算式を組み合わせて使うはずの魔法を直感で使用するとは、これにはユーノも恐れ入った様子だ。
「よぉし、場所が判ればこっちのもんだ! 行くぞ、ゲッター1!」
『待ってください、マスター。周辺の木々に動きが感じられます』
早くこの事態を収束させるべく竜馬が飛び出そうとするが、すぐさま
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