第2話:海鳴パニック!
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自分が帰路に着いた時の、士郎と恭也の顔を思い出した。自分が無事に帰ってきて、とても安心した様子で嬉しそうだった。自分のことを大切に思って、心配してくれている証拠だ。
そんな父親や兄が、自分が死ぬことでどれほど悲しむのか、なのはには想像もつかなかった。だが、もしも父親や兄が死んでしまうのを想像すると、自分はとても悲しい気持ちになるだろう、となのはは率直にそう感じた。
だが、なのはの内にはそれ以上に渦巻いていた想いがあった。
「…竜馬さん。私は今日、大変なミスをしました。ジュエルシードを見つけていたのに、気のせいだと思って最悪の事態を招いてしまったミスです」
「………」
なのはがやや俯いて口にする言葉に、竜馬は黙って耳を傾ける。
「……『ミスは自分の手で取り返せ』、お兄ちゃんがよく言っている言葉です。…たとえ私が死んじゃって、みんなが悲しむとしても、ミスを取り返さないで――できることをしないで逃げ出すのは、絶対に嫌なんです!」
なのはは俯いていた顔を上げ、目をキッとさせて自分の想いを言葉に乗せ、精一杯の力を振り絞って竜馬にぶつけた。
対する竜馬は眉一つ動かさず、どっしりと構えてなのはの心の叫びを全身で受け止める。
そうしていると、バスケットの中のユーノがゆっくりと起き上がった。
「…竜馬さん、なのはと出会ってまだ日が浅い僕が言うのもなんですが、こうなったらもう、なのはは聞きません。なのはは…そういう、強い子なんです」
「………」
ユーノが頭を下げて頼み込むのを見て、竜馬はしばらく黙ってから口を開いた。
「…なのは、お前はそれでいいんだな?」
「…はい」
竜馬はなのはの決意が変わらないことを確かめ、なのはも真っ直ぐな瞳で肯定の意を表す。
「…わかった、お前の気持ちを尊重してやる」
「竜馬さん…!」
「だが、無茶は絶対にするな。自分じゃどうにもならんと感じたら、すぐに俺を呼べ。それが条件だ、いいな?」
「はい! ありがとうございます!」
なのははベッドから立ち上がり、竜馬に感謝の意を込めてお辞儀をする。
「…しかし、問題はこれからだな。あれだけの大騒ぎを起こした以上、管理局が黙って見てるとは思えねぇ」
「管理局…?」
聞きなれない単語に、なのはは疑問符を浮かべる。
「管理局っていうのはね、時空管理局――簡単に言うと、次元犯罪やロストロギアの暴走が起きないように数多くの次元世界を管理して、平和を保つための機関なんだ」
ため息を吐いている竜馬に代わり、ユーノが簡単に説明する。
「えっと…ようするに、次元世界中のお巡りさんみたいなもの…なのかな?」
「うーん…まあ、そんな感じかな。他にも役目はいろいろあるんだけど、今はそんな認識でもいいと
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