第2話:海鳴パニック!
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騒ぎがあったんだって!?」
なのはが竜馬を伴って帰路に着くと、家の門の前で士郎と恭也が落ち着かない様子でなのはの帰りを待っていた。
そして、なのはの姿を確認すると安心したのか思わず声を上げ、なのはの元へと駆け寄ってきた。
「お父さん、お兄ちゃん、心配かけてごめんなさい…」
「いや、いいんだ。なのはが無事ならそれでいい。怪我はないか?」
「うん、あの人、竜馬さんのおかげでなんとか…」
なのはが竜馬の方を指さし、士郎と恭也も竜馬を見る。どうやら二人ともなのはに気が回りすぎて、存在感の塊と言っても過言ではない竜馬の存在を、うっかり見過ごしてしまっていたようだった。
「あなたがなのはを…。ありがとうございました、何とお礼を言えばいいか…」
士郎は竜馬の元へと歩み寄ると、竜馬に頭を下げて精一杯の感謝の言葉を告げた。
「いや、気にしないでくれ。俺もなのはに助けられたようなモンでな」
「…竜馬さん、街があの様子ですし、今日はウチに泊まっていってください。それに、なのはを送っていただいたお礼もしたいので」
恭也が竜馬に歩み寄り、提案する。
「そうか? あそこの山までだったら、帰ろうと思えば俺は――」
「(竜馬さん、私からもお願いします、泊まっていってください。私も、竜馬さんとゆっくりお話ししたいこともありますし)」
「(…この念話、なのはか。そうだな…)」
なのはも念話を使って、竜馬にこっそり懇願する。
確かに、あの時のユーノの話だけでは状況の把握が完全ではなかったし、しっかり話し合って互いのことをもっと知るのも悪くはない。
「…わかった、すまねぇが世話になるぜ」
「それはよかった。では、中へどうぞ」
竜馬は士郎に連れられて門をくぐり、高町家の庭へと足を踏み入れた。
「…ん、道場があるのか。親父さん、何か武道でも?」
「ええ。ウチは代々、古流剣術を受け継いでいるんです」
「…そういう竜馬さんも、随分と着古した道着を着ているみたいですけど?」
「親父にガキの頃から空手を仕込まれてな。今じゃ一応は師範だ、道場はボロだけどな」
庭に建てられた道場を見つけた竜馬の言葉から、同じ武道家同士で会話に花を咲かせながら、士郎はリビングへと竜馬を案内する。
なのははその後ろをとてとてと付いて歩く。
「桃子、なのはが帰ってきたぞ!」
「聞こえてるわよ、あれだけ大声で叫んでれば…あら、そちらの方は?」
士郎の妻でなのはや恭也の母桃子は、なのはが無事なのが分かったとはいえ、門前で大騒ぎしていた士郎にやや呆れ気味だったが、やはり士郎の背後に立つ見知らぬ男に目が行った。
「ああ、こちら竜馬さん。街でなのはを助けてくれたそうなんだ」
「あらあらそれは…竜馬さん
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