第2話:海鳴パニック!
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いで下さいよ…コホン。えっと…初めまして、高町なのはといいます」
どこまでも子ども扱いの竜馬に苦言を呈しながらも、なのはは自己紹介など礼節を欠かさない。
「ほう、小さいのに礼儀がなっているな、偉いぞ。…こんな捻くれ者ですまないが、師範をよろしく頼む」
「うるせぇぞ、余計なことを言うんじゃねぇ」
「にゃはは…」
なのはは四天王の二人と竜馬とのやり取りに苦笑いを浮かべながらも、師範と門下生という上下関係があるにもかかわらず軽口を叩けるあたり、この二人と竜馬の間には相当な固い絆があるのだろう、となのはは考えていた。
「…とりあえず、俺はなのはを家まで送っていく。街がこの有様だ、さすがに今日はもう借金取り共は来ねぇだろう」
「では、我らは鳥竜館へと戻っております。師範、道中お気をつけて」
「ああ、お前らもな」
四天王の二人は竜馬に軽く会釈をしてから、樹木の根によって抉られ、破壊されたデコボコの道路を軽快な動きで駆け抜けていった。
「凄い…竜馬さん、あの人たちって――」
「アイツらは俺がやってる道場の門下生だ。他にあと二人いて、四天王なんて名乗ってやがる」
「四天王…」
なのははもう姿の見えなくなった、四天王の二人の軽々とした身のこなしを思い出していた。
あの動きは何年か武術をやっただけで身に着くようなものではない。それこそ長い年月をかけ、血の滲むような努力をし、想像もつかないような厳しい鍛錬をしなければ、あれほどの動きができる武道家にはなれないだろう――と、なのはは驚嘆していた。
なのはの家は近所でも評判の喫茶店を経営してはいるが、実は高町家は代々続く剣術の家柄であり、鍛錬のための武道場もある。そのため、日々鍛錬に励む父の士郎、兄の恭也、そして姉の美由希を小さいころから見てきたなのはは、相手の身のこなしを見ただけでもある程度、実力を推し量れるようにはなっていたのだ。
(あれが四天王なら、師範の竜馬さんはもっと…)
もっと強い。下手をすると、自分の父や兄よりも強いのかもしれない。なのはは思考に長い時間を費やすまでもなく、ただ率直にそう感じた。
小学生相応の感想だが、少なくとも先程その目で見た魔法の実力が、流竜馬の全てではなくその氷山の一角に過ぎないということを認識させられた。
「さて、そろそろ行くぞ。もたもたしてっと人が来る、そうなりゃ目立って、空なんか飛んで行けなくなるからな」
「そうですね。…じゃあ行きましょう、ついてきてください」
なのはと竜馬は飛行魔法を行使して再び宙に舞い上がり、なのはの先導で高町家へと向けて飛んで行った。
「なのは! 無事だったか!」
「心配したんだぞ、街の方で大
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