第2話:海鳴パニック!
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がらこちらへ向けて飛んでくる『赤い魔力光に包まれた何か』の姿が映り込んだ。
「あれって…!?」
なのはは正体不明で急激に接近するそれに対し、万が一に備えて身構える。
そして、それは自身を包んでいた赤い魔力光を解除しながら、あっという間に言葉通りになのはの目と鼻の先で静かに着地して停止する。
「ひ、人!? それにあの人って…!」
魔力光の中から現れたのは、先日なのはがジュエルシードを回収した帰りに出会った男、竜馬であった。だが、あの時とは服装も雰囲気も違っていたのは、なのは自身も気づいていた。
「お前、この前のガキか…。まさか、魔導士だったとはな…」
突然現れた人物が竜馬であったことに驚くなのはだが、同様に竜馬も真夜中に出会った少女が魔導士であったことに驚いていた。
しかし、やはり双方が驚く暇もまた、与えられなかった。
「…お前か? 街中でこんなことをしでかしたのは? だとしたら――」
「ふえっ!? ち、違います! 私じゃありません!」
竜馬はなのはを睨みつけながら問いかける。その威圧感から来る恐怖のあまり、なのはは一瞬どころかかなりたじろいだが、恐怖で足が竦みそうになりながらもグッと堪え、自分が無実であることはしっかりと竜馬に伝えた。
「本当だろうな? …まぁ、こんなガキにここまで大掛かりなことができる訳がねぇか」
竜馬はとりあえずなのはが犯人ではないことは信じるが、その口から発せられた理由については、なのはは一瞬ムッとした。
確かになのはは魔導士を始めてからまだ日は浅いため、実力は無いと言われても仕方がないが、面と向かって言われるとやはり腹立たしいものである。
「チッ…じゃあ一体、どこのどいつが――」
「あ、あの…」
ユーノが勇気を振り絞って、竜馬にこの騒動の理由を話そうとする。
「あ? お前フェレットか? どうした、何か用か?」
「ひっ!」
話そうとするが、ユーノも竜馬から無意識にあふれ出る威圧感と鋭い眼光に当てられ、言葉を噤んでしまう。
(お…落ち着け、落ち着くんだ僕! あんなの、ただ背が高くて筋肉が着いてて、ついでにとんでもない威圧感を放ってるだけのただの魔導士じゃないか! 同じ人間同士、ただ普通に話せば――うんダメだ、それだけあれば十分怖すぎる!)
落ち着こうと思考を巡らせるユーノだが、混乱していたため余計に自身の恐怖心を煽ってしまっていた。ユーノの全身から滝のように冷や汗が流れ落ち、今にも干からびてフェレットの干物と化してしまいそうな勢いである。
『マスター、また相手をビビらせてしまっています。無意識にでも、相手を威圧するのはやめてください』
「ああ? んなこと言ってもよ、俺にはそんなつもりなんかねぇんだが…」
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