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ドワォ青年リリカル竜馬
第2話:海鳴パニック!
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 広大な海に臨み、都市化の進む中心部と自然の多く残る山々の両方を持つ街、海鳴市。
 今この平和な海鳴の街の中心部に、突如として極めて巨大な樹木が複数出現した。
 更にそれぞれの大樹から伸びる太く長い枝や根が、高層ビルなどの建造物の間を次々と通り抜けていき、瞬く間に海鳴の街を埋め尽くしたのだった。

「そんな、ひどい…!」

 そんな海鳴市中心部に建つとあるビルの屋上に、魔法少女高町なのははいた。長い機械チックな杖のレイジングハートを持ち、自身の通う私立聖祥大付属小学校の制服をモチーフとしたバリアジャケットを着た彼女は、今の海鳴の街の有様を目の当たりにし、驚愕のあまりその場に立ち尽くしていた。

「ユーノ君、これって…」
「うん…多分、人間がジュエルシードを発動させちゃったんだと思う…。強い想いを持った者が、願いを込めて発動させたとき、ジュエルシードは一番強い力を発揮するんだ」

 ユーノがこの状況が発生した原因を考察する。
 この大樹達を出現させたのは、すでに滅んでしまった超高度文明によって生み出された魔法技術の遺産――ロストロギアの一種である、ジュエルシードの力によるもの。
 ジュエルシードとは簡単に言ってしまえば願いを叶える魔法の宝石であり、膨大なエネルギーの結晶体でもある。
 ユーノの一族が以前とある遺跡から発掘し、安全に管理するために輸送していたところ、事故によってこの海鳴市一帯にばら撒かれてしまったのだ。
 なのははその回収を手伝うため、自身に魔法の才能があることを知ると、ユーノから魔法を行使するために必要なデバイスであるレイジングハートを受け取り、現在に至るのであった。

「人間が…それって、まさか!?」

 なのははジュエルシードを発動させてしまった人物に、心当たりがあった。なのはの父が監督を務める少年サッカーチームに所属する少年の一人が、ジュエルシードらしきものをポケットに入れていたのをなのはは目撃していたのだ。

「まさか…こんなことになるなんて…」

 気づいていた。あの時点で少年がジュエルシードを持っていることをしっかりと確認していれば、こうなる前に止められていたはずだった。だがそれをしなかった。何故しなかったのか。自分の気の緩みで、少年どころか大好きな街とそこに住む人々を傷つけてしまった。後悔してもしきれない。なのはは自分の考えが甘かったことを認識し、自責の念に駆られる。
 だが、世界は彼女が悔やむための時間すらも与えてはくれなかった。

『警告。4時の方向より飛来する物体を確認。魔力反応あり』
「ッ!? なのは、何か来る!」
「!?」

 レイジングハートの警告を受け、なのはは急いで右斜め後方の空間を確認する。
 振り向いたなのはの視界には、風を切るような独特の音を発しな
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