第二十三話 明るい日常その十六
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「六時起床なの」
「そうなのね」
「六時に起きてね」
そして、というのだ。
「それから一日がはじまるから」
「それで寝るのは?」
「十時になってるけれど寮の先生に言えば十二時まで勉強も出来るわよ」
「十二時ね」
「それでいつもぎりぎりまで勉強して娘もいるわよ」
「頑張ってる娘もいるのね」
「そこは人によるけれどね」
つまり勉強しない娘もいるのだ、この辺りは本当に人それぞれである。
「その辺りは」
「そうなのね。まあ私はお勉強はそこそこする位だけれど」
向日葵の成績のレベルもそれ位だ、悪くはないがよくもないといったレベルだ。
「そうした娘ってやっぱりいるのね」
「寮にもね」
「そうなのね」
「寮も色々な娘がいるのよ」
そうした場所だというのだ。
「だって学校自体がそうでしょ」
「学校も寮もいる人は一緒だからね」
「そう、中にはね」
「中には?」
「全く勉強しない娘とかね」
所謂ガリ勉、裕香が今話した様な娘と正反対のタイプの娘もいるというのだ。
「いるから」
「本当にそれぞれなのね」
「薊ちゃんもいるしね」
「薊ちゃんは有名よね」
「寮でもかなり有名になってるわよ」
「やっぱりね、薊ちゃん目立つからね」
「ええ、そのせいでね」
薊は寮の中でも有名人になっているというのだ、実際にその通りのことだ。
「明るくて男の子みたいだって」
「そのままなのね、寮の中でも」
「それで運動神経もよくて素早くてね」
「本当に寮でも変わらないのね」
「そうなの、しかもそれでいて気が利いて気さくでね」
このことも同じだった。
「評判いいのよ」
「本当に変わらないわね、薊ちゃんは」
何時でも何処でもだというのだ。
「あの娘は」
「そうね、じゃあ薊ちゃんのお話をね」
「寮までね」
しようと話してだ、そしてだった。
向日葵は裕香との日常も楽しんだ、そして家に帰ると早寝をしてまた朝早く起きてお経を読んだ、それが向日葵の日常である。
第二十三話 完
2014・7・3
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