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木の葉詰め合わせ
本編番外編
入れ替わりシリーズ
入れ替わり発端
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 まあ、確かにこいつの意見にも一理あるけど……同時に絶対的な真実でもないと言う事にいい加減気付かないかなぁ……。
 そうは思うが、これ以上話を続けたところで直ぐさま考えが変わる訳でもないし、寧ろ平行線を辿る事は必須だ。
だから早々に話を切り上げて、座している机の引き出しを探る事にしました。

「――あ、あった」
「……なんだ、それは?」
「猫バアのお店で買ったんだ。鎮静効果とささくれ立った心を癒す効果があるらしいよ」

 複数の香木を練り合わせて作ったタイプのお香らしい。残念ながら私は詳しくないので詳細は分からないが。
 マッチを擦って、火をつける。暫くすれば落ち着いた香りが室内に漂った。

「あら、柱間様。そのお香は……」
「ん。ミト、お茶持って来てくれてありがと。嬉しいよ」
「いいえ。でも、余計なお世話でしたかも」

 そう言って差し出したミトの淹れてくれたお茶は、やはり猫バアのお店でリラックス効果があると言われていた物で、お香とセットで購入した物だった。
 少々罰の悪そうな顔をしているミトも、なんだかんだいがみ合ってばかりではいけないと思っていたのだろう。こうした心遣いがさり気なくできるミトは本当に優しい子だと思う。

「どうぞ、柱間様」
「ありがとう、ミト」
「――――……どうぞ、うちはの頭領」
「…………」

 ミトの入れてくれたお茶は他の誰が淹れるよりも遥かに美味しい。
 それは誰もが覆せない絶対的な真実なので、流石のマダラも文句を言わずにお茶を啜っていた。

「はぁ……。流石猫バアのお墨付き。なんというか、癒される……」
「爺臭いな」
「五月蝿い、余計なお世話だ」

 はぁ、と溜め息を吐けば、向かいでせせら笑う声が聞こえたが無視する。
 
 この時の私は気付いていなかった。
 珍事が起こる事に前触れなんて物は無く――それを事前に察知する手段だって無いと言う、あまりにも当たり前すぎる事実を忘れてもいた。
 振り返ってみればたいした事などない、平穏な日々に埋没した奇妙な一日の話。
 この頃の私は、私達はまだ何も知らなかった。これから先の未来に何が起こるのか、そうして私の目指し続けた夢の先に一体何が待っていたのかを。
 
 ――――これは、そう。そう言う普通の日の話、だったとだけ言っておこう。

*****

 ……とまあ、こんな感じで始まって里中を震撼させる大事件へと繋がる訳です(←嘘です)

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