第五章 楽園
第4話 いつもの朝
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道「先に出てくれ!後で行くから!」
十香「う、うむ……わかったぞ……」
十香が外に出るのを確認すると、士道は琴里に話しかけた。
士道「どうしたんだ?」
琴里「さっきの十香の様子みたでしょ?」
士道「あぁ」
琴里「あの不安げな表情……四糸乃や私もそうだけど、霊力がいつ暴走してもおかしくない状態だわ。どうすればいいか……いくら士道でも分かるわよね?」
士道「デートしろ……ってことか?」
琴里「それしか方法がないでしょうね。〈ラタトスク〉は今、機能不全に陥ってるし……」
士道「一体何が……」
琴里「ラタトスクが復活すればまだやれることはあるんだけど……精霊達を安定させるには士道と一緒にいる時が一番いいのよ。特にデートの時はね……」
士道「やるしかないって訳か……」
琴里「ええ。ただし、次に危険な状態になったら逃げなさい。あなたは……今、不死身じゃないんだから、下手すりゃ……死ぬわよ?」
士道「でも俺にしか出来ないんだろ?だったらやってやるよ」
琴里「そのいきよ。あとこれ」
と手のひらに置かれたのは銀色に光る真新しいものだった。
士道「……鍵?」
琴里「ええ。精霊とはいえ女の子かが1つ屋根の下で暮らすことになったのよ。当麻くんと一方通行と無害が取り柄が一匹いるだけだし……」
士道「無害が取り柄……って俺のことかよ」
琴里「他に誰がいるのよ。ほら、これ以上十香を待たせると不安にさせちゃうから早く行きなさい」
士道「あぁ。分かった」
と言って士道は出て行った。この場に静寂が訪れる。
琴里「今の話、全部聞いていたんでしょ?」
振り返ることもなく、誰もいない廊下に話しかける。
琴里「″そういう訳″だから、私のおにーちゃんを支えてちょうだい……頼むわね……」
琴里もゆっくりとドアを開けて外へと出て行った。
再び静かになった廊下に、足音と杖のつく音が聞こえていた。
今日は、6月26日。
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