宣材写真
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「おかしいとかいうレベルを逸脱してるってこれは」
「でもでも、その写真社長にいい出来だって凄く褒めてもらえましたよ!?」
確かに別の意味ではいい出来だけどさやよい…宣材としては絶望的だよ…
「あのおっさん、たまにこういうところがあるからな…」
「春翔さんは社長とは知り合いだったんですか?」
「現役時代に何度か世話になったってくらいだ。そこまで親しいわけじゃないよ」
「そうですか」
そこにアイドル達のお揃いのステージ衣装を用意した律子が事務所に帰ってきた。衣装を用意してウチの事務所の金庫はすっからかんになってしまったらしい。宣材を撮り直したいところではあるが予算はあるだろうか?
「ええ!?コンポジットを作り直す!?ムリムリ、あの衣装でいくらかかったと思ってるんです!?そりゃ、今のがベストとは言えないですけど」
「だろ?そこは娘のお見合い写真を作り直すような気持ちでさ…」
「娘って…私そんな年じゃありません!」
「いいじゃんりっちゃん!宣材ジャバジャバ撮り直そうよ!」
「そうだよ!宣材取り直したらきっとお仕事ザバザバ入ってくるよ?」
「それに給食費だって払えます」
「う〜ん…しょうがない、いっちょ取り直しますか!」
「だったら俺の知り合いに頼んで少し安く撮ってもらおうか」
「本当ですか!?」
「ああ」
☆
そして俺たちがやってきたのは俺の知り合い三國康夫のスタジオだ。俺の現役時代何度か撮影してもらったことがある。
「やあ、本当に君がプロデューサーになって帰ってくるとはね」
「いろいろあったんだよ」
握手をしながら言葉を交わす。実際に会うのは5年ぶりか。
「今日は君の所属する事務所のアイドル達の宣材写真の取り直しだったね」
「ああ、頼んだぜ」
「頼まれよう」
「ようしそれじゃお前らサクッと準備してサクッと撮ってくれよ…で、これは何だ?」
「決まってるじゃない。撮影の衣装よ」
伊織が持ち込んだらしい撮影の衣装を見るとものすごく不安になる。ちゃんとした宣材がとれるのだろうか?熊の着ぐるみみたいなのまである。そして俺の不安が的中するのはその少し後だった。
「うわ〜、すご〜い」
やよいが感嘆の声を上げるのでなにかと思えばあずさが衣装に着替えていた。確かに似合っている。律子が衣装を選んだようだ。
「んー、もう少し明るい色の方がいいですかね?」
「そうですか?私、太って見えませんか?」
「全然大丈夫ですよ!プロデューサー、春翔さん!あずささん、こっちの色もいけますよね!」
「え、ああ、そうだな」
もっと具体的に言ってやれよ赤羽根…
「春翔さんはどう思います?」
「まあ、そっちも行けるだろうけど今着てる色の方が髪の色と合ってていいんじ
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