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トワノクウ
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第十六夜 かけがえのあるもの(二)
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ごえていたのだと知った。

「潤く……っおる、ちゃん……!」

 傷つけないで。お願いだから、好きだから、好きな人に酷い言葉を、仕打ちをもらいたくないの――その想いの丈を叫びに変える。

 尽きない涙は、見えない血潮に似ていた。





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