暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
ゼノさんから学び得たこと
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るからな。」

そう言って、フレンド登録画面を出してきたゼノさん。断る理由もないので、それを了承した。メニュー欄の〈フレンド〉に「ゼノ」とはっきり表示されている。ここからメールやチャットなどする際にフレンドを指定できるようだ。

「じゃあ、これで本当のお別れや。またボス戦とかで会えたら会おうな? 後言い忘れてたことが一つあったわ。」

「何ですか?」

「もう〈ゼノさん〉はやめぃ。ゼノで充分や。俺もレミーも、もう立派な一人のプレイヤーだからな。」

自分の師匠であった「ゼノさん」から、一人のゲームプレイヤー「ゼノ」へと呼び方を変え、対等の関係としてこれから呼び合うことになる。そしてゼノは更に言葉を続ける。

「ゼノさん……いや、ゼノ。ありがとう、貴方のおかげで私はここまで成長できた。」

「俺は大したことは教えてないで? 俺は基礎的なことと知識しか教えていない。だから今のレミーを作ったのは、紛れもなくレミー自身の力や。」

「私自身の力……」

「そう、レミー自身の力。与えられたものから、切り開こうとする力。その力って、身に着けたくても、中々身に着けられへんものやで。」

切り開く力。今までの自分に有ったか? と言われたら断言は出来ない。でもこの極限下の状況で何かを見つけ出そうと模索した自分がいる。何も分からないから、教えて貰いそこから見出した。自分に足りないものを必死に追い求めた。


「その力は大事やで? これから先このSAOで何が起こるか分からへん。PK(プレイヤーキル)が横行するかも知れへんし、ここで大切な誰かが居なくなってしまうかも知れへん。でもな、これだけは忘れへんでくれ。」





「立ち止まるな、前へ進め。立ち止まったらそこでお終いや。良いか、レミー。絶対に立ち止まるな。立ち止まらなきゃ、何かしらの道は開ける。」

「立ち止まるな、前へ進め――か。何かおじさん臭いですね。」

ゼノからの教訓を復唱しながら何かおじさん臭いねと苦笑するとお互いに笑いながら歩いていく。

「じゃあ、またどこかで。」

「ああ、またどこかでな。」

「「必ず会おう!!」」

そう言って私ははじまりの町を出てフィールドに出る。閉鎖された状況を立ち止まらずに変えるために。私は、進み始める。
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