マクロスF
0761話
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の丁重な挨拶は、俺の事情や能力を知っているからこそなのだろう。
「で、どうしたんだ? 俺に何か用事でも?」
「いえ、違います。今日私が来たのはアクセル大尉に用事があるのでは無く、ミス・シェリルに」
「……シェリルに?」
その言葉に思わず尋ね返す。大統領直属のSPが、何だってわざわざシェリルに会いに来る? まさかシェリルの歌を聴きたいって訳じゃ無いだろうし。ああ、いや。色々と不安定な事情のフロンティア船団内部を落ち着かせる為にライブをやって欲しいというのはある、か?
「アクセル?」
そんな風に考えていると、露出度の高いコンサート衣装の上から上着を羽織ったシェリルが近付いてくる。
「大統領がお前に用事があるらしい。どうする?」
「大統領が? エルモ、用意をお願い」
「あ、はいはい。お任せ下さい。えっと、それでアクセルさんは?」
エルモの視線を受け、SPの方へと視線を向けるとそっと視線を逸らされる。
これは……何らかの後ろ暗い事でもあるのか? 確かにフロンティア船団の現状を考えればおかしな話では無いが。とにかく、俺のやるべき事は1つだろう。
「俺も一緒に行くが、構わないな?」
「……少々お待ちを。すぐに確認を取ってみます」
そう告げ、後ろを向いてどこかに連絡をするSP。いやまぁ、それこそ大統領府に連絡をしているんだろうが。
そのまま1分も掛からず、短い会話を終えると俺の方へと視線を向けて小さく頷く。
「今回の件の責任者から許可を得ました。構わないそうです」
「責任者? グラス大統領じゃ無いのか?」
「申し訳ありませんが、この件に関して私は何を話すことも許可されていません」
どうやら余程に重要な事らしい。少なくてもライブが云々って理由じゃないだろうな。となると……何だ? 大統領の立場で、今のシェリルに銀河の妖精以外の価値があるのか?
とにかく、その場で色々と考えてもしょうがないので、SPの男と一緒に大統領府へと向かう事にする。……さて、どんな理由でシェリルが呼び出されたのやら。
「……ルカ?」
大統領府に呼び出され、シェリルやエルモと共にSPが案内した部屋に入った俺達を出迎えたのは、俺にとってもお馴染みの相手であるルカだった。何だか難しい表情を浮かべながら書類へと目を通している。
そんなルカの隣では、こちらもまたグラス大統領が何やら書類へと目を通していた。
俺の掛けた声で我に返ったのだろう。ルカがそのままこっちに視線を向けて俺と目を合わせると、どこか慌てたような表情を浮かべて目を逸らす。
「ア、アクセル君!? え、何でここにいるんですか?」
「彼が希望したからだよ。彼女に関する事なのだから、当然アクセル君にも来て貰うのは正しい
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