アイングラッド編
SAO編
《圏内事件》5
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び、ヒースクリフが即答した。
「圏内に……つまり町のなかに入った瞬間に《コード》は例外なく適応される。圏内は街の三次元空間上に設定されているために、仮に街の上空にテレポートしてもHPは1ドットたりとも減らない」
その後、キリトがクリティカルヒット時のHP減少ラグによる偽装説を唱えたが、それもステータス的に不可能ということで撃沈した。
「……おまち」
そこへやる気皆無な声と共に店主がどんぶりを4つ持ってきた。
アスナが他の層のNPCと比べて安っぽい感じに唖然としていたが、まあいいだろう。
「……なんなの、この料理?ラーメン?」
「に、似た何か」
「……いや……どっちかっていうとそうめんか?」
「…………」
しばしズルズルという音が侘しく店内に響いた。
「で、団長殿は、何か閃いたことはあるかい?」
スープまできっちり飲み干し、ドンブリを置いたヒースクリフは底の漢字っぽい模様を凝視しながら答えた。
「……これはラーメンではない。断じて違う」
「うん、俺もそう思う」
待て。それはどうでも良いだろうが。
「では、この偽ラーメンの味の分だけ答えよう」
顔を上げ、ワリバシを置く。
「現時点の材料だけで《何が起きたのか》を断定することは出来ない。だが、これだけは言える。いいかね……この事件に関して絶対確実と言えるのは、君らがその目で見、その耳で聞いた一時情報だけだ。つまり……アインクラッドで直接見聞きするものはすべて、コードに置換可能なデジタルデータで、そこに幻聴幻覚が入り込む余地はないということだよ」
己の脳がダイレクトに受け取った情報のみを信じろ、ということだろう。
ヒースクリフが立ち去り俺達は次の方針を店から出たところで話し合っていた。
「……お前、さっきの、意味わかった?」
わかってないのはお前だけだ。
「……うん」
ほらな?
「アレだわ。つまり《醤油抜きの東京風醤油ラーメン》。だからあんな侘しい味なんだわ。……決めた。私何時か醤油を作って見せるわ。そうしなきゃこの不満感は永遠に消えない気がするもの」
「……そう、頑張って……って」
違うだろ!!と2人同時に突っ込む。それにしても何だ?血盟騎士団はいつの間にラーメン評論家が出現したんだ?
「え?何、キリト君、レイ君?」
話を聞いていなかったわけないので本当に気になるんだろう。その気持ちはよーくわかる。
だが、まあ。それはそれとして。
話し合う2人をじっと見つめる。昔、1層のボスを倒した時から見守ってきた2人を……
少年は変わった。自らの罪を背負うために、1人で生きて行くために。
少女は変わった。憧れ
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