アイングラッド編
SAO編
《圏内事件》5
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を飲む。キリトとアスナは興味津々といった様子だが、ヒースクリフは持論があるようでやや思慮にふける表情だ。
「それは武器の鋒が鎧に触れる位置だ。ソードスキルを使った場合だが。」
「それはおかしくないか?普通は勢いがついてからの方が威力は強いだろ?」
「『貫く』と『刺す』に関しては例外なんだ。そうだな……粘土を平良で切断するのと先が尖ったもので貫通させるのにどれぐらいの労力差があるか考えればわかりやすい」
「ソードスキルのシステムアシストは基本的に常に一定のスピード……そうか、なるほどその可能性には思い当たらなかった。さすがだね、レイ君」
「団長……すみませんが説明して頂けないでしょうか?」
「よかろう。……しかし、料理が出てくるのが遅いなこの店は」
「俺の知る限り、あのマスターがアインクラッドで一番やる気のないNPCだね。それを含めて楽しめよ」
キリトは卓上の水差しから、ヒースクリフの前のコップに氷水を注ぐ。それを少し飲んでから説明を始める。
「いいかね?ソードスキルのシステムアシストが影響するのはプレイヤーの身体のみで速度、強度共にほぼ一定だ。武器は握られているので一緒に動くだけで、さっきのレイ君の例えを借りると粘土をどうにかするには作用を及ぼすものに力……この場合はシステムアシストを加えればよい。ただし、先程の強度は『刺突』行動を行うときは例外なのだ」
キリトは苦悶の表情(おそらく話が難しいのだろう)アスナは驚いている。自分で使っていても判らなかったのだろう。
「『刺突』行動時のみ、強度は開始点がもっとも強い。つまり、レイ君の実験では強度最高の時に装甲を貫通したということであろう」
「そのとおり、随分と遠回りしたが相手に近づいてからソードスキルを起こすなんて馬鹿はいないからな」
「付け加えるなら、ウィナー表示が何処にもなかったのなら、それは決闘ではないと考えてよい」
いっそう濃い影が落ちる店内
「……選択肢間違ってない?このお店……」
呟いたアスナが飲み干したコップに氷水をなみなみ満たすキリト。微妙な顔でお礼を言うアスナ。
「じゃあ残るは2つ目のやつだけだね。《システム上の抜け道》……私ね、どうしても引っかかるのよ」
「《貫通継続ダメージ》」
テーブルの上に必要もないのに置かれている爪楊枝を一本抜き、アスナはそれでしゅっと空気を貫いた。
「あの槍は公開処刑の演出だけじゃなく、圏内PKを実現するためにどうしても必要だった……そう思えるのよ」
「うん。それは俺も感じる。……でも、それはさっき実験したじゃないか。たとえ圏外で貫通武器を刺しても圏内に移動すればダメージは止まる」
「歩いて移動した場合は、ねなら……《回廊結晶》はどうなの?」
「止まるとも」
再
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