アイングラッド編
SAO編
《圏内事件》5
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キリトの飯奢るという文言に引かれたわけではないだろうが、俺的にはボス戦以外ではあまり会いたくない存在だった。
最強ギルドの一つ《血盟騎士団》リーダーにしてユニークスキル《神聖剣》の使い手、ヒースクリフ。
俺達を見つけるなり、ピクリと片方の眉を持ち上げ、寄ってきた。その顔には若干の戸惑いが見える。
アスナがびしいっと音がしそうな動作で敬礼し、急き込むように弁解した。
「突然のお呼び立て、申し訳ありません団長!このバ……いえ、この者達がどうしてもと言ってきかないものですから……」
「……待てコラ、俺は言ってねぇ」
「ふむ…珍しい組み合わせ…でもないのかな?久しいなレイ君」
「ども……」
「あれ、知り合いなんですか団長?」
当然の疑問をアスナが口にする。まあ、仕方ないか。血盟騎士団内部でも最古参の連中しか知らないようなマイナーな話題だ。キリトは知っているが。
「知り合いも何も……彼は血盟騎士団創設時のメンバーだ。もっとも2ヶ月ほどの極短い間だがね。ちなみに、初代フォワード隊長だ」
「そうだったの!?」
「……大昔の話だよ」
「どうせ今も紅っぽいんだから戻れよ」
「それはいい考えだ。歓迎しよう、レイ君」
その瞬間レイの纏う空気が一変した。『紅き死神』と呼ばれるあの、冷酷な空気に……
「たしか次に戻った時は、すきあらば圏外で団長殿の首をはねてOKという約束でしたね?それを承知なら喜んで戻りましょう」
「「………な!?」」
「……忘れてはない、ほんの冗談だよ。すまなかったね」
「……ふん」
「ところで……」
そこでヒースクリフは俺達3人を見回し、
「何故に君達は探偵装束なのかね?」
「気分だ」
「「…………」」
「……なるほど」
「わかるのかよ、今ので!?……まあ、それも後で話すさ。とりあえず行こうぜ」
そうしてアルゲートの迷宮区並に複雑な路地を歩いて行くと一軒のラーメン屋(的なNPCレストラン)が現れた。
キリトに導かれるままその店はやはり日本の伝統的な(?)ラーメン屋の内装だった。
4人掛けの机に(不本意ながらヒースクリフの隣に)座るとキリトが《アルゲートそば》なるものを注文し、曇ったコップで氷水をすする。
「なんだか……残念会みたくなってきたんだけど……」
キリトの右隣に(ごく自然に)座ったアスナが微妙な顔で言う。
「気のせい気のせい。それより、忙しい団長殿のためにさっそく本題に入ろうぜ」
昨夜の事件のあらましを、アスナが説明する間もヒースクリフの表情はほとんど変わらなかった。唯一、カインズの死の場面で眉をぴくりとさせ
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