第四章
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「襲い掛かって来るんだ、寄ってたかってね」
「それは大変だね」
「猫以上にね」
「それじゃあ」
「そう、それでね」
だからだとです、また言うチミーでした。
「そのこともあるから」
「町には二度と行かないんだ」
「そんな病気知らないよ」
ペストなんて、というのです。
「本当にね」
「そうだよね、僕もはじめて聞いたし」
「僕いつも身体を綺麗にしてるよ」
毎日水浴びをしてです。
「それで悪い病気とか」
「持ってる筈がないね」
「それでそんなこと言われたら」
「行きたくなくなるね」
「町にはね」
まさにそうだというのです。
「だからね、僕はね」
「もう二度とだね」
「ここから出ないよ」
つまり町に行かないというのです。
「本当にそうするよ」
「それがいいと思うよ、僕もね」
「ピーターもそう思うね」
「本当にね」
心からと答えるピーターでした。
「お茶も美味しいしね」
「そうそう、お茶もね」
チミーもそのおちゃのことをお話します。
「町のお茶はね」
「それはどうだったの?」
「変わらないよ」
「味がだね」
「香りもね」
それもというのです。
「変わらないよ」
「紅茶は同じなんだ」
「僕はそう感じたよ」
「田舎も町も紅茶は同じなんだね」
「スコーンもサンドイッチもね」
食べているものもというのです。
「やっぱり同じだよ」
「逆に猫や人が多くて変な食べものが多くて」
「居辛い場所だよ」
「僕達は少ないんだね」
ピーターは兎達についても尋ねました。
「野兎は」
「いないよ」
「いないの!?」
「兎はいるよ」
兎自体はいるというのです。
「けれど野兎じゃなくて穴兎でね」
「ああ、あの人達だね」
「それで皆人に飼われているんだ」
「ううん、そのことも残念だね」
「そうだよね、とてもね」
「そういうのを聞いても残念に思うよ」
兎として町の兎のことを聞いてもだというのです。
「町はいい場所じゃないね」
「僕達にとってはね」
「町って何なのかな」
ピーターは首を傾げさせてこうも言いました。
「危ないだけの面白くない場所なのかな」
「ここで充分だよね」
「本当にそう思うよ。じゃあ」
「それじゃあだね」
「ここにいてね」
そしてと言うのでした。
「ずっと楽しく生きていたいね」
「僕達同士でね」
「紅茶も飲みながらね」
「そうだね、しかしこのお茶美味しいね」
チミーはお茶を飲みつつその味についてあらためて言いました。
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